2020 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定課題遂行中の大脳基底核並列ループにおける脳情報動態
Publicly Offered Research
Project Area | Brain information dynamics underlying multi-area interconnectivity and parallel processing |
Project/Area Number |
20H05073
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
田中 康裕 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (20533128)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / 大脳基底核 / 脳情報動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
スムーズな認知や運動を実現する機構を理解する目的で、大脳基底核を含むループ構造における情報の流れを明らかにしようとしている。特に、複数のニューロピクセル電極による同時記録によって並列する複数の大脳基底核ループから神経活動を同時に記録することで一連の行動における大脳皮質―基底核の情報動態の全体像を明らかにしようとしている。本年度は、頭部固定下のラットを用いて行動課題の開発を行った。感覚刺激を複数受け取り、正解を判別し、意思決定を行い、運動を起こすという一連の過程を調べるための課題として、目の前のモニタに右と左にコントラストの異なる視覚刺激を提示し、コントラストの高い方の刺激がどちらかを判断し、左右どちらかのボタンを押すという行動課題を確立した。訓練後のラットでは最も判別しやすい刺激において、80%程度の成功率を示した。また、感覚刺激の区別しやすさによって成績がシグモイド状に変化する心理測定曲線を描くことができた。また、脳情報動態の測定手法として掲げていたニューロピクセル電極による記録を進めている。麻酔下・安静化の動物を用いることで既に大脳皮質運動野とその直下に位置する大脳基底核背側内側領域からの同時記録を得ることに成功した。さらにそれらの生データからユニットを分離する系を確立し、代表的なユニットを選別し、それらの活動の前後関係について相互相関関数を求めるなどして調べた。開発した行動課題中の複数個所での電気記録を行うために、これらの行動課題と神経活動測定系を組み合わせる作業に取り掛かっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
麻酔下・安静下の動物を用いた大脳皮質運動野と大脳基底核背内側領域からの同時記録を実現したため。また、頭部固定下での意思決定行動課題装置を作成し、意思決定行動課題の訓練法を確立したため。
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Strategy for Future Research Activity |
行動課題装置を拡張し電気生理学を行えるようにし、ニューロピクセル電極により複数の並列ループからの電気記録を行う。
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Research Products
(5 results)