2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the various water splitting mechanism used for natural, semiconductors and molecular catalyses
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of novel light energy conversion system through elucidation of the molecular mechanism of photosynthesis and its artificial design in terms of time and space |
Project/Area Number |
20H05088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄司 光男 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (00593550)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / ラジカル / プロトン移動 / コンフォメーション / 反応機構 / 一電子移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成光エネルギー捕集はアンテナタンパク質C-フィコシアニン(C-PC)で起こる。量子化学計算(時間依存密度汎関数法)を用いて、フィコビリン色素の光吸収特性と励起状態での構造変化について理論解析した。側鎖プロピオン酸残基のコンフォメーションが励起状態の構造変化に寄与することを理論的に示した。 光化学系II酸素発生中心ではMnクラスター近傍に存在するタイロシン残基(TryZ)が1電子酸化された後にMnクラスターがー電子酸化される。タイロシンラジカルはプロトン移動を伴うが、その後の反応機構については明らかでない。本反応に類似した、より単純で、生体内に存在するラジカル反応かつプロトン移動反応について理論解析を実施し、光合成反応との類似性を探った。 銅含有アミン酸化酵素はタイロシン残基が自己酸化されてトパキノン(TPQ)に修飾され、アミン類の酸化的脱アミノ反応を触媒する。休止酸化型における中性子散乱構造では活性中心が極めて特異的なプロトン化状態になっていることが明らかになったため、量子古典混合計算(QM/MM)により、理論解析を実施した。Asp298残基はプロトン化しており、カルボキル基は回転自由度を持っていることを理論解析した。他のアミン酸化酵素であるサルコシンオキシダーゼの反応経路を理論探索し、クロプロピルグリシン基質では一電子移動(SET)機構ではなく、polor機構であることを解明した。代替酸化酵素(AOX)の非ヘム鉄酵素の酸素基質結合状態と阻害剤の探索を行い、X線構造解析での基質結合位置の不一致は、コンフォメーション自由度によるものであることをTAOでも示すに至った。これらの解析から、分解能が低いX線構造では理論計算構造と必ずしも一致が見られないこと、特に、コンフォメーション自由度が残っている部分は、平均構造位置に見える可能性があることが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工光合成の反応機構の解明は現在理論解明を行なっている段階であり、成果発表するに至らなかった。半導体系については、小さなクラスターモデルでは表面状態を適切に記述できないため、評価が極めて難しいことがわかってきた段階であり、難航している。そのため、より容易な関連系で研究を進めることで、論文化まで進めた。多様な酵素反応系で多くの研究成果を挙げた。
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Strategy for Future Research Activity |
人工光合成系について、現在取り組んでいる理論解析をまとめる。特に (1)C班和田グループと共同研究を行なっているRu錯体系での水分解反応について理論解析結果をまとめる。 (2)C班佐山グループと共同研究を行なっている半導体系について理論解析を進める。 (3)C班八木グループと共同研究を行なっている半導体系について理論解析を進める。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Weak O2 binding and strong H2O2 binding at the non-heme diiron center of Trypanosome Alternative Oxidase2021
Author(s)
S.Yamasaki, M.Shoji, M.Kayanuma, V.Sladek, D.K.Inaoka, Y.Matsuo, T.Shiba, L.Young, A.L.Moore, K.Kita, Y.Shigeta
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Journal Title
Biochimica et Biophysica Acta - Bioenergetics
Volume: 1862
Pages: 148356-9
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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