2021 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系IIの光阻害と修復の分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of novel light energy conversion system through elucidation of the molecular mechanism of photosynthesis and its artificial design in terms of time and space |
Project/Area Number |
20H05089
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西山 佳孝 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30281588)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2022-03-31
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / 酸素発生 / 光阻害 / 修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
光化学系II(PSII)は光による損傷を受けやすいが、修復機構によって速やかに修復される。研究代表者らは、これまでに光損傷に関する新たなモデル「Two-step説」を提唱し、修復を制御する新たな機構を見出してきた。Two-step説では、紫外線や青色光によって酸素発生系マンガンクラスターが損傷を受け(第一段階)、その後クロロフィルが吸収する可視光によって反応中心が損傷を受ける(第二段階)ことが推定されている。本年度は、Two-step機構の詳細および光損傷からの修復機構を明らかにするため、シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC 6803から単離したチラコイド膜に強力な紫外線(UV-A; 365 nm)を照射し、酸素発生および人工電子受容体DCIPの還元速度を指標にPSII活性を測定した。チラコイド膜にUV-Aを50秒照射すると、PSII活性は元の約10%にまで低下した。その際、PSII全体(H2O→DCIP)と反応中心(DPC→DCIP)の反応を比較すると、前者の方がより速く低下したため、酸素発生系が反応中心よりも先に損傷を受けていることが確認できた。次に、チラコイド膜にDPCの存在下でUV-Aを照射すると、H2O→DCIP反応 は著しく低下したが、DPC→DCIP反応 はほとんど低下しなかった。したがって、PSII反応中心は無傷な状態で酸素発生系のみが損傷した「損傷中間体」を得ることができた。さらに、UV-A照射したチラコイド膜にMn2+やCl-、ATP、細胞の可溶性画分を同時に添加すると、PSII活性は著しく回復した。可溶性画分を熱処理してから添加すると、PSII活性の回復は見られなかった。したがって、酸素発生系の再生には可溶性画分に存在する何らかのタンパク質性因子とATPが必要であることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)
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[Book] 光合成2021
Author(s)
日本光合成学会
Total Pages
224
Publisher
朝倉書店
ISBN
978-4-254-17176-1