2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of disturbance suppression method for highly efficient electron transfer system by rotaxane structure
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of novel light energy conversion system through elucidation of the molecular mechanism of photosynthesis and its artificial design in terms of time and space |
Project/Area Number |
20H05092
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺尾 潤 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00322173)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 電子伝達分子 / ロタキサン / 溶媒和 / 励起状態制御 / シクロデキストリン |
Outline of Annual Research Achievements |
ドナー・ブリッジ・アクセプター型分子(D-B-A型分子)における励起状態のブリッジへの溶媒和は、逆電子移動速度などの発光特性に影響するため重要な要素であるが5、このようなブリッジのみへの局所的な溶媒和を評価することはこれまで困難であった。本研究では、ブリッジへの溶媒和状態のみが異なる立体異性体を用いてそのソルバトフルオロクロミズムの差を算出することにより、励起状態のブリッジへの溶媒和の評価を試みた。PMCDを用いた連結型ロタキサン構造によりブリッジのみを被覆した被覆型D-B-A型分子insとその非被覆体uninsを合成し、蛍光発光スペクトル測定を行った。insとuninsとの蛍光極大波長の差を算出し、溶媒極性パラメータに対してプロットしたところ、励起状態にあるブリッジへの溶媒和は塩素系極性溶媒において特に強くなることが明らかとなった。 溶液中における室温燐光発光材料は、バイオイメージングなどのプローブへの利用が可能であるため開発が望まれている。遷移金属を用いない有機物においては溶液中の分子内運動によって励起状態からの速やかな無輻射失活が起こり、燐光発光が妨げられるため、室温燐光発光材料の開発は困難であった。本研究では、連結型ロタキサン構造を利用して分子内運動の抑制を行うことにより、有機室温燐光発光材料の開発を試みた。固体状態では室温燐光発光を示す一方で溶液中では室温燐光発光を示さないベンジルを対象に、PMCDを用いて被覆した被覆型ベンジル2-insおよびその非被覆体2-uninsを合成した。初めに、脱酸素したDMSO中および脱酸素していないDMSO中で2-insの発光スペクトルを比較したところ、脱酸素したDMSO中においてのみ580 nm付近のピークが観測された。燐光発光は酸素により消光することが知られており、このピークが燐光発光に由来することが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|