2020 Fiscal Year Annual Research Report
天然および人工光捕集アンテナ系における光エネルギー伝達機構の理論的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of novel light energy conversion system through elucidation of the molecular mechanism of photosynthesis and its artificial design in terms of time and space |
Project/Area Number |
20H05099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 雅大 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20611479)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光捕集アンテナ / エネルギー伝達 / クロロゾーム / 分子シミュレーション / 量子化学計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成における最初のステップは、光捕集アンテナと呼ばれるタンパク質による光エネルギーの吸収および反応中心への伝達である。このエネルギー伝達効率は非常に高いことが知られており、その構造を模した人工の光捕集アンテナが作られてきた。しかし、天然と人工光捕集アンテナ系で何が同じで何が違うのか未だよく分かっていない。本研究課題の目的は、我々が独自に開発してきた量子化学計算と分子動力学シミュレーションを効率的に結びつける手法を活用し、天然及び人工光捕集アンテナ系の光エネルギー伝達機構を分子論的に明らかにすることである。 本年度は、まず、天然及び人工のクロロゾームに含まれる色素であるバクテリオクロロフィル (BChl) c,d,e,fや亜鉛BChl誘導体の励起状態の解析を行った。概ね実験結果と定性的に一致する結果が得られたが、過去のBChl aの研究と同様に、再配向エネルギーの値は量子化学計算手法により大きく依存することが明らかになった。今後、天然及び人工クロロゾームの解析には用いる量子化学計算を注意深く検討する予定である。 また分子動力学シミュレーションを用いて、天然及び人工のクロロゾームの構造の作成を行った。これまでの研究に基づいてBChl同士が水素結合したチューブ状の構造を作り上げ、分子動力学シミュレーションにより、その構造が安定であることを確認した。現在、量子化学計算の情報を基に、BChlの基底状態と励起状態のポテンシャル関数を作成中であり、それを用いてBChlの励起エネルギーの大きさと揺らぎを解析する予定である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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