2020 Fiscal Year Annual Research Report
Determination of the internal quantum efficiency for photocatalytic reaction over semiconductor particles by photoacoustic detection
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of novel light energy conversion system through elucidation of the molecular mechanism of photosynthesis and its artificial design in terms of time and space |
Project/Area Number |
20H05107
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 直也 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (10452822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 光触媒 / 量子効率 / 光音響 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子効率は,半導体光触媒の性能を表す重要な指標でありながら,粉末系の半導体光触媒においては吸収光子量の把握が難しいが故に「見かけの」量子効率に置き換えられて評価されてきた.本研究では,光音響分光分析と光触媒反応系を組み合わせることによって,光触媒反応に由来する熱量変化を解析し,粉末系光触媒反応の「真の」量子効率を測定することのできるシステムを確立することを目的に行った. まず,光音響分析装置,光触媒反応器(チャンバー),生成物分析装置(TCDのガスクロマトグラフ)が一体となった分析システムを作成した.次に,アルミをドープしたチタン酸ストロンチウム(Al:SrTiO3)粒子を平面基板に固定した試料を用い,水蒸気を含むアルゴンガス流通下で水分解反応を行い,分析結果の妥当性の検証を行った.この分析結果より,エネルギー蓄積型の光触媒反応の進行に由来する発生熱量の減少が確認でき,これと「見かけの」量子効率の間に相関関係が見られた.この相関関係を用いて解析を行うことによって得られた光吸収効率は,光照射波長が365 nmのとき1に近い値を示しており,このことから今回得られた実験結果は妥当な値であると考えられる.また,この光吸収効率と「見かけの」量子効率により,「真の」量子効率を得ることに成功した.今後は,この分析システムを懸濁系光触媒に適用可能なシステムへと拡張するとともに,様々な光触媒反応に対し本手法が適用できることを実証する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で最も難易度が高いと考えていた「光触媒反応に由来する発生熱量変化の検出」を行うことに成功していることに加えて,光吸収効率の実験値が想定される値とほぼ一致していることより,当初の予定通り妥当な分析システムが構築されていると考えられる.以上の理由により,現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの基礎検討では平面基板に固定された光触媒試料を用いて実験を行ったため,今年度はこれを懸濁系光触媒に拡張し検討を行う.また,これ以外の様々な光触媒反応系(犠牲剤存在したにおける水の酸化反応,水素生成反応)における半導体光触媒の「真の」量子効率測定へも展開する. さらに,前回の公募研究(平成30~令和元年度)において,確立した半導体光電極の「真の」量子効率測定システムを利用して,測定精度の向上を目指すとともに,単色光光源(発光ダイオード)を用いて作用スペクトルの測定を行い,「真の」量子効率が照射波長にどのような依存性を示すのかを明らかにし,機構解明に役立てる.
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Research Products
(5 results)