2021 Fiscal Year Annual Research Report
リモートオセアニアへの拡散を可能にした栄養適応システムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
20H05127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅崎 昌裕 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30292725)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 島嶼環境 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
リモートオセアニアは、人類の生存にとっては「厳しい」地域である。陸域が小さいために、生態系のなかにみられる植物と動物の多様性は乏しく、またその数も多くない。ホモサピエンスがこのような厳しい環境に移動することを可能にしたひとつの背景として、腸内細菌の役割に着目した。島嶼環境では不足しがちなエネルギー・栄養素を合成するような腸内細菌、また食物に含まれる有害な物質を無毒化するような腸内細菌を大腸に棲まわせることは、新たな環境における人類の生存戦略の重要なコンポーネントだったのではないか。2022年度は、前年度から経費を繰り越しすることで、新型コロナ感染症の流行に伴う外国人研究者の入国を強く制限してきたトンガでの現地調査および糞便サンプルの収集を目標とした。しかしながら、2022年にトンガ国首都近郊で火山の大噴火がおこったこともあり、2022年度中にトンガ国における調査は実現できなかった。したがって、代替の研究として、南太平洋における窒素/炭素安定同位体比を用いた先史時代の食生活を推定する研究のレビューをおこない、新学術研究の班会議で報告した。また、日本国内の離島において、糞便などの生体試料をサンプリングをおこない、魚食の多寡が腸内細菌叢に与える影響を明らかにするための調査を実施した。この調査に参加した1名の大学院生が、研究成果を修士論文として発表したほか、その内容を国際誌に投稿する準備をすすめている。収集した生体試料は東京大学の実験室に輸送し、腸内細菌叢の評価およびバイオマーカーの測定作業がすすめられた。なお、国内の離島を代替の調査地にすることについては、その科学的妥当性の説明とともに、提出した交付申請書に明記してある。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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