2021 Fiscal Year Annual Research Report
Towards understanding the genetic basis of human cold adaptation out-of-Eurasia
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
20H05128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 一大 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (90433581)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東アジア人 / 褐色脂肪組織 / サーマルカメラ / 遺伝子多型 / 自然選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、出ユーラシア集団での低温環境への遺伝的適応に寄与した座位を同定する目的で、アメリカ大陸進出への中継地点であり、かつヒト集団間での遺伝的な近縁性が高い東アジア地域を対象として、主要な熱産生組織である褐色脂肪組織の機能的な多様性を調査することを目的とした。前年度までの研究で、サーマルカメラで褐色脂肪組織活性を測定した成人男女50名分およびPET-CTで褐色脂肪組織活性を測定した約400名分のゲノムDNAを試料を用いて、南北アメリカ集団を代表とした様々な人類集団の集団遺伝学解析から、過去にヒトの適応進化に寄与したことが示唆されている複数の座位について、熱産生能力の多様性との関連性を調査した。その結果、グリーンランドのイヌイットで特異的な正の自然選択を受けたある遺伝子領域の一塩基多型が、東アジア人での褐色脂肪組織活性の個人差とも関連していることを発見した。さらに、ペルーの先住民集団で正の自然選択の痕跡がみとめられたいくつかの座位にも、東アジア人での褐色脂肪組織活性との関連が認められた。また、アメリカ大陸をはじめ、アフリカ、ヨーロッパ、アジアにわたる広範な人類集団で多型性が認められ、平衡選択の作用が示唆されていたβ2型アドレナリン受容体遺伝子の多型が、褐色脂肪組織活性の個人差と関連していることが明らかになり、熱産生が活発な表現型とそうでない表現型が、ヒトの進化の過程で長期に渡って維持され続けてきたことを示唆する結果が得られた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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