2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identifying shifts in selective pressures driven by environmental and cultural changes: Population genomics modelling on ancient and modern Maya
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
20H05129
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中込 滋樹 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究センター, 客員研究員 (40625208)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パレオゲノミクス / ネイティブアメリカン / マヤ文明 / 縄文人 / ユーラシア |
Outline of Annual Research Achievements |
東ユーラシア及びアメリカ大陸における人類集団の拡散を明らかにすることを目的に、古代及び現代の人類集団におけるゲノムデータを網羅的に解析した。アジアにおける古代ゲノムのデータはヨーロッパのそれと比較するといまだに個体数は少ない。しかし、近年中国や北東アジアを中心とする大陸における古代ゲノムのデータが急速に蓄積されてきた。また、日本列島においても、既に縄文人のゲノムデータが報告されている。したがって、それらの古代ゲノムデータを含め、現代人のゲノムデータと合わせて解析することで、ユーラシア大陸から集団が拡散し、アメリカ大陸へと渡っていった詳細な歴史を明らかにすることができる。そして、本研究チームの解析から、縄文人が東ユーラシアにおいて非常に古くに分岐した祖先の子孫であることを明らかにした。この分岐は、ネイティブアメリカンと東アジア人の祖先が分岐するよりも前に遡る。したがって、縄文人とネイティブアメリカンのゲノムデータを合わせて解析することで、現代ネイティブアメリカンの祖先の起源を明らかにすることができかもしれない。 さらに、アメリカ大陸においてヨーロッパ人の大規模な移住が起こる以前のネイティブアメリカンにおける遺伝的多様性を明らかにするために、マヤ文明に由来する遺跡から出土した古人骨からのゲノムデータを生成した。貴重な古人骨試料の中で、できる限り多くの個体からゲノムデータを生成・解析するために、本研究チームはヒト由来のDNAが高い確率で保存されていることが報告されている側頭骨(耳孔のある頭骨で極端に骨密度が高い部位が存在)からゲノムDNA抽出を行った。その結果、実験に用いた合計16個体の内、10個体において古人骨試料に由来するゲノムDNAを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、東ユーラシアからアメリカ大陸に渡って過去に生活していた人類集団に関する古代ゲノムデータを処理・解析してきた。これらのデータは、現在生成中の古代ネイティブアメリカンデータを解析する上で貴重な参照データとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、アメリカ大陸においてヨーロッパ人の大規模な移住が起こる以前のネイティブアメリカンにおける遺伝的多様性を明らかにするために、マヤ文明コパン遺跡から出土した古人骨からのゲノムデータを生成する。
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Research Products
(2 results)