2020 Fiscal Year Annual Research Report
An Ethno-cognitive-archaeological Study of the Development of Human Cognitive Skill in the Arctic Region of North America
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
20H05136
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
大村 敬一 放送大学, 教養学部, 教授 (40261250)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アメリカ大陸 / 極北圏 / 生業システム / 認知技能 / 環境適応 / 民族認知考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度から2022年度まで(コロナ禍の影響下、繰越を行ったため)、以下の調査と研究を行った。 (1)研究代表者の大村敬一と研究協力者の近藤祉秋(神戸大学)は、それぞれ、2020年度から2022年度にかけて、アメリカ大陸極北圏と亜極北圏の現在の先住諸民族の生業システム(生業技術と社会組織と世界観から複合的に構成される物質=観念的な社会・経済・文化システム)を分析し、そのシステムの環境適応のメカニズムとそれを支える認知技能を明らかにするための理論研究を行い、その成果をそれぞれ発表した。 (2)研究協力者のスチュアート ヘンリ(本多俊和:放送大学)は、2020年度から2022年度にかけて、生業システムの歴史を考古学的に辿ることで、アメリカ大陸に進出した人類にどのような認知技能の発達が生じたのかを探究する研究を行うとともに、アメリカ大陸への人類の進出に関する考古学と遺伝学の国際シンポジウムを2022年度に開催するための交渉と準備を行った。 (3)B01 班との連携研究を行い、アメリカ大陸の極北圏と亜極北圏の先住民の生業システムと認知技能の特異性をアメリカ大陸の他の先住民の生業システムと認知技能との比較分析を通して明らかにするために、研究協力者としてB01班の佃麻美(同志社女子大学研究支援員:プイナヤ(ペルー)に2022年12月3日~12月12日)とB01班の稲村哲也(放送大学・名誉教授:サンサルバドル(エルサルバドル)とフェアバンクスおよびアンカレジ(合衆国アラスカ)に2023年2月9日~2月27日)と日丸美彦(愛知県立大学・非常勤講師:フェアバンクスおよびアンカレジ(合衆国アラスカ)に2023年2月20日~2月27日)を派遣してフィールド調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカ大陸極北圏と亜極北圏の現在の先住諸民族の生業システムを分析し、そのシステムの環境適応のメカニズムとそれを支える認知技能を明らかにするための理論研究をすすめ、その成果を発表したため。また、生業システムの歴史を考古学的に辿る考古学と遺伝学の国際シンポジウムを2022年度に開催するための交渉と準備を行うことができたため。さらに、アメリカ大陸の極北圏と亜極北圏の先住民の生業システムと認知技能の特異性をアメリカ大陸の他の先住民の生業システムと認知技能との比較分析を通して明らかにする調査をB01班と連携で実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度から2022年度までの上記の成果と準備に基づいて(コロナ禍の影響下、繰越を行ったため)、2022年度に、アメリカ大陸への人類の進出に関する考古学と遺伝学の国際シンポジウムを行うとともに、生業システムのメカニズムとその歴史的展開、さらに、そこでの北方寒冷地適応と認知技能の発達の関係に関する調査研究をとりまとめ、アメリカ大陸に進出した人類にどのような認知技能の発達が生じたのかを考察する。
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