2020 Fiscal Year Annual Research Report
Human dispersal into the Japanese Archipelago and the Sahul: systemic approach with 3D lithic morphology
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
20H05143
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
野口 淳 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (70308063)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 先史考古学 / 旧石器時代 / 日本列島 / サフル大陸 / 系統分類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ユーラシア南部を東進した人類集団が、中期~後期旧石器時代に無人~人口希薄だった日本列島とサフル大陸に到達、定着した際に、どのような石器技術の変化・変遷が起こったのかを明らかにすることで、生態ニッチ上の空白への侵入と適応の過程を解明することを目的とするものである。そのために3D 計測データをもとに石器の〈かたち〉の構成要素を技術属性や機能属性などに分別し、複数属性を定量的に検討、形態形成過程にもとづく分類を構築し、物質文化の表現型の類似・差異を越えた関係性の解明を目指す。 2020年度は、日本国内においては九州~中国地方の資料を中心に携行可能な卓上型レーザースキャナーによって対象資料を計測する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり資料所在地を訪問しての計測を行なうことができず、既に計測済みの宮崎県山田遺跡の形態分析を実施した。 またオーストラリアを訪問して共同研究、とくにデータの共同利用について合意書を作成、資料調査を実施する予定であったが、これも実現不可能になった。 研究領域の大会、日本旧石器学会、日本情報考古学会等国内の学会、およびアジア旧石器協会等の関連する国際会議において成果を報告する予定であったが、その多くが中止、延期となった。代わりにインドにおいてホストされたウェビナーで2件の講演発表を行ない、また国内ではオンライン開催となった研究領域の大会と日本情報考古学会において発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた海外での資料計測と学会参加が全て中止・延期となった。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎データ収集のための資料調査・計測については、新型コロナウイルス感染症および緊急事態宣言の影響を最小限にとどめるために、a.移動距離の短い地域の国内資料、b.遠隔地の国内資料をわけて調査・計測計画を修正し、a→bの順で実施する。当初計画に含めていた海外の資料については現地の研究者に協力を仰ぎデータ・情報の共有・交換を行なう。 それらのデータにも続く分析作業を進める。 国内・海外の学会についてはオンラインに移行し開催が確定しているものに参加・発表を行なう。
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Research Products
(4 results)