2020 Fiscal Year Annual Research Report
Thin-film quantum liquid crystals based on topological magnetic structures
Publicly Offered Research
Project Area | Physical Properties of Quantum Liquid Crystals |
Project/Area Number |
20H05160
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松野 丈夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00443028)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トポロジカル磁気構造 / パルスレーザー堆積法 / ホール効果 / 5d電子系 / DM相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
強磁性体と強いスピン軌道相互作用を持つ非磁性体からなるエピタキシャル酸化物界面ではジャロシンスキー-守谷(DM)相互作用に由来するスキルミオン相が得られる。パルスレーザー堆積法による薄膜・界面作製技術を駆使した物質開発によりスキルミオンを単位とする量子液晶の具現化を目指し、以下の3つの成果を得た。 (1) 強いスピン-軌道相互作用を持つ5d電子系Ir酸化物に着目し、パルスレーザー堆積法によりSrIrO3薄膜を合成した。量子液晶の実現には面内に異方性を持つ薄膜が必要となることから、面内に異方性を持つ直方晶ペロブスカイトDyScO3(110)上に成膜を行い、基板との面内格子定数が一致し高い結晶性を持つコヒーレントなSrIrO3薄膜を得た。 (2) SrIrO3上にスパッタ法により強磁性金属CoFeBを積層し、フォトリソグラフィとArイオンミリングにより長さ30μm、幅10μmのホールバーを形成した。強磁性体の磁化と非磁性体のスピン流との相互作用による生ずるスピンホール磁気抵抗の測定によりSrIrO3の持つ電流-スピン流変換効率を決定し、SrIrO3がPtと同程度の高い変換効率を持つことを明らかにした。 (3) 立方ペロブスカイト強磁性体(La,Ba)MnO3のエピタキシャル薄膜をSrTiO3基板ならびにLSAT基板上に作製し、キュリー温度が310 Kと室温に達することを確認した。(La,Ba)MnO3の格子定数はSrIrO3とも整合すると予測されるため、エピタキシャル界面(La,Ba)MnO3/ SrIrO3の形成に向けて前進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
面内異方性を持つSrIrO3薄膜の合成、フォトリソグラフィによる10μm幅を持つホールバーの形成、室温ペロブスカイト強磁性体(La,Ba)MnO3の合成など、目標に向けた要素を一つ一つ達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
目標に向けた要素技術の中で実現できていないのは酸化物界面の低温における磁気輸送特性評価であり、2021年度はそれに注力する。
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Research Products
(6 results)