2020 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ顕微鏡を用いたシリコン単原子層の局所計測
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science on Nanoscale Structures and Functions of Crystal Defect Cores |
Project/Area Number |
20H05178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 宜昭 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00432518)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、結晶欠陥特有の電子状態を機能に結び付けることを目的としている。シリコンの単原子層物質であるシリセンは、バックルしたハニカム構造を有し、その結果として線形なバンド分散を持つ二次元トポロジカル絶縁体となる。その新奇な特徴を活かしたデバイスが、期待される中、電界効果トランジスターが試作された。ところが欠陥によって移動度が低い値に留まるなどの問題が残っている。一方、シリセンの点欠陥や相境界といった欠陥が、磁性やバレー流の源となるなど、欠陥に特有の物理現象も注目されている。したがって、シリセンの欠陥を原子レベルで調べることが重要である。そこで本研究では、原子間力顕微鏡(AFM)と走査トンネル顕微鏡(STM)の複合装置により、シリセンの欠陥の構造や端の構造を調べた。具体的には、銀基板上にシリセンの一次元構造が作製できることを示した。四角形の環を含む対称性のよいユニークな構造をとっていることが判明した。一方、一次元構造の両端は鏡映対称性が破れた構造をとっており、基板の第二層の対称性が構造に影響を与えているという非自明な知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリセンの作製では、シリコンの蒸着量と蒸着中の基板の温度によって、様々な相ができることがわかっている。本研究では、より精密に条件を制御して、これまで報告例がない、シリセンの一次元構造を見出すことができ、そのユニークな構造を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シリセンの作成における相図が把握できたので、人工的な欠陥を導入するべく、シリセンに単原子を蒸着して、新奇機能コアの創製をねらう。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] Electronic Properties of Bottom-Up Synthesized 17- and 13-Atom-Wide Graphene Nanoribbons2020
Author(s)
J. Yamaguchi, H. Hayashi, H. Jippo, A. Shiotari, M. Ohtomo, M. Sakakura, N. Hieda, N. Aratani, M. Ohfuchi, Y. Sugimoto, H. Yamada, and S. Sato
Organizer
2020 virtual MRS Fall meeting
Int'l Joint Research
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