2021 Fiscal Year Annual Research Report
Application of ultrathin film of fullerenes as two-dimensional acquatic materials
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
20H05205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原野 幸治 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任准教授 (70451515)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フラーレン / 二次元材料 / プロトン伝導 / 自立膜 / 電子顕微鏡 / 水素結合 / 超分子ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェン,MXeneをはじめとする二次元材料はその特異的な物性や機能性から多くの注目を集めている.中でも,二次元材料の層間にイオンや分子が挿入(インターカレート)された層状物質はバッテリーや電池への応用の観点から近年活発に研究が行われている.しかし,インターカレート構造を有する二次元物質の作製における精密な構造・膜厚(層数)制御や実用的な均一性,サイズおよび強度の実現という点において未だ課題が多い.本研究では,ボトムアップ法による簡便かつ精密なインターカレート構造の作製法を確立することを目的とし,多点の水素結合性部位を有する低分子の自己集合により,高い強度と柔軟性を併せ持つ二次元インターカレート構造を構成単位とする膜厚制御可能な超薄膜の作製を目指した. 我々は,5つの置換基を持ち擬五回対称性を有する円錐型[60]フラーレン分子がその対称性に由来して安定な非晶質相を提示することに基づき,カルボキシル基を水素結合部位として5つ有する円錐型フラーレン両親媒性分子(CFA)を気液界面で集積化することにより,劈開面を持たず柔軟性を有する非晶質分子膜(フラーレンフィルム:FF)を作製することに成功した.単層のFFは3.0 nmの膜厚と最大30 cm2の面積で高い均一性を有する薄膜として得られ,基板状に逐次的およびone-potでの積層も可能であり,さらにはグリッド状基板の上に自立膜として転写することも可能である.各種分析手法により,単層のFFは逆二分子膜構造,すなわち,上下面に疎水性のフラーレン層,内部に水分子を含む水素結合ネットワーク構造を有し,フラーレン層間に水分子が挿入された二次元インターカレート構造であることが明らかとなった.さらに,FF内のカルボン酸および水分子が形成する二次元水素結合ネットワークを介した高いプロトン伝導性も見いだされた.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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