2020 Fiscal Year Annual Research Report
高速広域3次元走査型力顕微鏡による固液界面構造・現象の原子・分子スケール計測
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
20H05212
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮田 一輝 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 助教 (10788243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原子間力顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)や3次元走査型力顕微鏡(3D-SFM)技術の発展により、固液界面構造の原子・分子スケール計測が可能となった。一方で、これらをより幅広い材料研究へ応用するためには、いくつかの技術的な課題が存在する。特に計測速度が比較的遅く水和構造の動的な挙動を捉えることが困難である点や、走査範囲が限られているため大きな凹凸や不均一な構造を計測することが難しい問題が、本技術の用途を制限する要因となる場合が多い。これらを解決するためには、本研究ではFM-AFM・3D-SFMのための高速・広域走査機構の開発に取り組み、本技術を幅広い材料/水界面のサブナノスケール解析へ用いるための技術基盤を確立する。 本年度はまず3D-SFMコントローラのデータ収録システムの改善に取り組んだ。また、本システムをこれまで開発してきたFM-AFM装置へ接続することで、5 秒/3d imageの速度で固液界面の3次元サブナノスケール計測を達成した。この動作検証では、鉱物結晶の一つであるカルサイト(CaCO3)の純水中で溶解していく様子を計測しており、そのステップ端に特異的な構造が存在することを明らかにした。さらに、広域走査が可能な走査機構(スキャナ)の開発にも取り組んだ。有限要素法シミュレーションにより構造を最適化することで、XY方向に5μm、Z方向に2μm走査可能な高速広域スキャナを実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3D-SFMの高速化に関する技術開発について取り組み、当初に予定していた通りの性能を得ることができた。広域化に関する技術開発もおおよそ完了しており、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に3D-SFMの広域化技術を確立する。また、これまでに開発した技術を幅広い試料へ応用する。まずは新学術領域会議にて本技術へ興味を持つ材料研究者から試料を提供いただき、実材料計測に取り組む。
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Research Products
(1 results)