Publicly Offered Research
本研究では、両親媒性ランダム共重合体が水中で自己組織化して形成するミセルを「水圏機能材料」と定義し、異なるポリマーが共存する環境でも自己を認識して選択的に同じポリマー同士で会合(セルフソーティング)するミセルを創出する。令和2年度に両親媒性ランダム共重合体ミセルのセルフソーティングを系統的に調べたところ、PEG側鎖をもつランダム共重合体とカチオン性ランダム共重合体は水中で共自己組織化して融合ミセルを形成することを見出した。この発見を元に、令和3年度(2年目)は、PEG系ランダム共重合体とカチオン性ランダム共重合体をもちいて、融合ミセルやセルフソーティングミセルを形成する分子設計の確立と、融合と分離を可逆的に実現する手法を開発した。PEG系ランダム共重合体は、ある特定の疎水基組成以上に設計すると効率的にカチオン性共重合体と融合ミセルを形成することが分かった。この融合ミセルに塩を加えると、PEG系ミセルとカチオン性ミセルへとセルフソーティング(分離)した。さらに詳細な解析から、この共自己組織化とセルフソーティングは、塩の有無により可逆的に起こることを見出した。このように、水環境の塩の有無により、異なるポリマー鎖が相手を識別して選択的に会合するシステムは前例がなく、極めて独創的である。、PEG系ランダム共重合体の精密自己組織化や温度応答性を利用して、ランダムブロック共重合体ミセルのサイズや会合数、温度応答性の制御、ならびにランダム共重合体ミセルの温度応答性ゲル化も達成した。さらに、水中で精密に自己組織化するランダム共重合体は、固体状でも側鎖がミクロ相分離して、ドメイン間隔が5 nm程度の微細ラメラ構造をもつバルク材料や薄膜材料を形成することを明らかにした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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European Polymer Journal
Volume: 168 Pages: 111091~111091
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Macromolecular Rapid Communications
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Volume: 10 Pages: 1524~1528
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10.1021/acs.macromol.1c02186
http://www.living.polym.kyoto-u.ac.jp