2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Photoresponsive Aquatic Materials Based on Supramolecular Organic-Inorganic Assemblies
Publicly Offered Research
Project Area | Aquatic Functional Materials: Creation of New Materials Science for Environment-Friendly and Active Functions |
Project/Area Number |
20H05231
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀内 新之介 長崎大学, 工学研究科, 助教 (50755915)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分子集合体 / 分子間相互作用 / 水素結合 / 光機能 / 水圏機能材料 / 水クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに,レゾルシンアレーン・発光性金属錯体・水分子を組み合わせた錯体内包型発光性超分子を報告している。本年度は,錯体内包型発光性超分子に含まれる水分子の振る舞いを解明することを目指した。はじめに水素結合アクセプター性が異なる様々なアニオンを有する発光性Ir錯体を用いて,錯体内包型超分子の光機能の解明を行った。その結果,水素結合アクセプター性が高いアニオンの場合,錯体内包型超分子の形成が有利になり,大きな発光波長のシフトが観察された。NMR及び分子モデル計算の結果,はじめにレゾルシンアレーン6量体カプセルに含まれる水分子が水素結合によってアニオンを捕捉し,追ってカプセル内にIr錯体を取り込みイオン対を形成させることで,錯体内包型構造が安定化されていることが示唆された。一方で,錯体内包型超分子のコンポーネントに対して,水溶媒を用いることで異なる集合構造を持つ結晶性化合物も得られた。その結晶に含まれる水分子の構造および水素結合ネットワークを単結晶X線構造解析によって明らかにできた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,錯体内包型超分子に含まれる水分子の振る舞いを明らかにすることができ,その成果を学術論文として報告することができた。また,同じコンポーネントを用いても水分子の振る舞いによって異なる集合構造を与えることも明らかにできた。特に水溶媒を用いて得られる結晶性化合物では,単結晶X線構造解析によって水の構造や振る舞い・水素結合ネットワークを詳細に議論できるようになる可能性がある。これらの進捗状況を総合的に判断すると,おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き,レゾルシンアレーン・発光性金属錯体・水分子からなる分子集合体を用いた水圏機能材料の創出と材料中に含まれる水分子の様相を明らかにしていく。特に水溶媒を用いて得られる結晶性化合物は,X線結晶構造解析によって水分子の振る舞いをオングストロームオーダーで明らかにできるため,この分子集合体を用いた研究に焦点を当てて研究を進める予定である。さらに,この結晶性化合物を用いて領域内共同研究を進め,水分子の性状解明を行っていく。
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Research Products
(4 results)