2020 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度シミュレーションを用いた暗黒物質分布の精密評価
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling the History of the Universe and Matter Evolution with Underground Physics |
Project/Area Number |
20H05245
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石山 智明 千葉大学, 統合情報センター, 准教授 (90616426)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 高性能計算 / 宇宙物理 / 銀河系 / 理論天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の研究を行った。 (1) 冷たい暗黒物質モデルに基づいた大規模宇宙論的構造形成シミュレーションを解析し、低輝度矮小楕円体銀河から銀河団スケールにわたって、ハローの中心集中度の進化を精度良く表現するモデルを構築した。 (2) 暗黒物質の自己相互作用を考慮した高分解能宇宙論的構造形成シミュレーションを行った。銀河系スケールのハローに存在する小スケールサブハローの中心150パーセクでの暗黒物質密度は、冷たい暗黒物質モデルと比べ優位に低い。また冷たいモデルで見られる中心密度と近点距離の負の相関が、自己相互作用モデルでは顕著に見られなかった。これは過去に密度の高かったサブハローほど自己相互作用が効果的にはたらき、現在では密度が低くコア構造を示す傾向にあるためである。結果を欧文論文としてまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、冷たい暗黒物質、および自己相互作用を考慮した暗黒物質モデルに基づく高分解能宇宙論的構造形成シミュレーションの解析が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
暖かいダークマターモデルを採用した高分解能シミュレーションデータを解析し、2020年度にえられた結果と比較する。サブハローの内部構造やその進化史を暗黒物質モデルごとに定式化する。
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