2020 Fiscal Year Annual Research Report
Genesis of all matters in the universe from right-handed neutrinos
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling the History of the Universe and Matter Evolution with Underground Physics |
Project/Area Number |
20H05248
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 順一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50212303)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニュートリノ / インフレーション宇宙論 / バリオン非対称 / ダークエネルギー / ダークマター / 密度ゆらぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
インフレーション後にインフラトンの振動をともなわず、インフレーション後もインフラトンが単調な進化を続け、最終的にダークエネルギーの起源を説明するようなモデルにおいて、インフレーションから放射優勢宇宙に転移する宇宙再加熱を重力粒子生成によって実現し、放射とバリオン非対称、ダークマターそしてダークエネルギーの起源を一挙に説明することが本研究の目的です。重力粒子生成を起こすためには共形不変性の破れが必要なので、ニュートリノのようなフェルミオンの場合は、運動項は共形不変なので質量項を介してのみ粒子生成が起こります。したがってインフレーション中のハッブルパラメタに近い質量の右巻ニュートリノが最も効率的に生成します。一方このような再加熱過程では重力子も生成することが知られているため、本年度はその影響を解析し、これまで考えていた右巻ニュートリノの重力生成のみでは再加熱が不十分となることを明らかにしました。一方、このとき標準理論のヒッグス場は大きなゆらぎを持ち、それがエントロピー生成と過剰な等曲率ゆらぎの生成を起こすことを想起し、その問題を解決するため、スカラー曲率との結合項を導入し、それがインフレーション後に再開熱に寄与することを示しました。これに基づいた無矛盾なシナリオをほぼ完成し、現在論文を執筆中です。
一方、このような再加熱シナリオを持つインフレーションが運動項駆動型で起こる場合、インフレーション中の音速が小さくなり得ます。そのようなモデルではゆらぎの非ガウス性が大きくなることが指摘されていました。われわれはそのような相互作用はゆらぎの振幅に対して大きな補正をもたらし、棄却されることを見いだしました。また、このように再加熱が非効率的な場合を含め、インフレーション中に生成した磁場がバリオン等曲率ゆらぎをもたらし、磁場形成論が制限されることを合わせて示しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス蔓延によるさまざまな制限により、繰越手続きをしておりますが、当初研究期間であった2年間を若干延長することによって、当初目的を達成できる目処がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の研究の総まとめとなる論文を現在執筆中でその最終段階に来ているので、それを粛々と進めて参ります。
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Research Products
(9 results)