2020 Fiscal Year Annual Research Report
高圧キセノンガス検出器によるミグダル効果検証のための研究
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling the History of the Universe and Matter Evolution with Underground Physics |
Project/Area Number |
20H05252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 輝石 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (80750463)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2022-03-31
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Keywords | キセノン / ミグダル効果 / 暗黒物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
中性子ビームを位置検出型ガス検出器に照射し、ミグダル効果を観測することが本研究の最終目標である。 キセノン及びアルゴンを使用した場合のシミュレーションスタディーを進め、査読付き論文として出版した。 また、本公募研究の母体となっている新学術の枠組みを利用してミグダル観測検討会という名の研究会を実施し、ミグダル効果の観測にまつわる議論を深め、本研究の意義を再確認するとともに、具体的な進め方についても他のガス種(アルゴン)を使ったグループと共有することができた。 当該年度は、採択決定が11月と年度後半であったため、本研究で製作予定のビーム試験用検出器に必要であることが明確な部品から調達し、組立を開始した。特に、申請者の所属する実験グループで開発が進められている専用の読み出し回路や、ガス中に収める多チャンネル読み出し用のアウトガスの少ないケーブルを本研究用に購入することで、開発にかかる時間を大幅に短縮できている。現在、検出器の光検出器の一部、読み出しケーブル、多チャンネルのMPPCの波形取得回路(4ボード、MPPC168チャンネル+PMTの読み出し)、各ボードからのデータを取りまとめてトリガーを発行するHULボード、までできている。 加えて、本研究では最終的なビーム試験ではキセノンの同位体を選別し、中性子に対して非弾性散乱をする129Xeや中性子捕獲反応をする131Xeを除いたキセノンを入手する必要がある。予算的に本研究の枠内には収まらないが、元素濃縮について代理店との相談を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
シミュレーションの論文の出版と、キックオフにつながる研究会の開催を実現し、ビーム試験用検出器の製作も開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ビーム試験用検出器を完成させ、1stステップとしての中性子ビーム照射実験を行い、ミグダル効果のバックグラウンドとなる129Xe非弾性散乱の測定と、原子核反跳におけるクエンチングの測定を行う。
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Research Products
(2 results)