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2020 Fiscal Year Annual Research Report

ナノカーボン合成反応を利用したハイパー物質表面の状態解析と新奇触媒機能創出

Publicly Offered Research

Project AreaHypermaterials: Inovation of materials scinece in hyper space
Project/Area Number 20H05260
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

亀岡 聡  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60312823)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywordsハイパーマテリアル / ナノカーボン合成 / 触媒 / 表面解析
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、ハイパーマテリアルの代表格である準結晶・近似結晶合金の触媒材料への応用展開を目指し、表面構造と触媒反応特性(“実条件下”での)の相関性を評価・解析することである。特に、ナノカーボン(カーボンナノチューブやカーボンナノファイバー等の総称)合成反応は活性サイトとなる触媒金属種の状態に非常に敏感であり、形成したナノカーボンの構造・形態が触媒表面の活性点構造ならびに自身の反応履歴を見事に反映することから、これらを詳細に解析することで表面構造と反応特性の因果関係を直接検証行った。
本年度は、各種ハイパーマテリアル試料を用いてナノカーボン合成反応特性の探索を行った。Al基合金系(ポリグレイン:Al13Fe4, Al13Co4)およびZn-Mg-Dy-TM (RE = Fe, Co, Ni)準結晶のモノグレイン試料をフラックス法により作製し置換元素(TM: 1at%)の反応特性に及ぼす効果に関して検討し合成反応実験を行う上での重要な知見を得た。
Al13Fe4試料では、大気中とグローブボックス中で試料を扱ったものでナノカーボン合成挙動が大きく異なることが明らかとなった。今後は、試料の取り扱いを全てグローブボックス中で取り扱うこととした。また、モノグレインZn-Mg-Dy-TM(Zn60Mg30Dy9TM1 (at%); TM=Fe, Co, Ni)試料では、TM元素の違いによりドープのされ方が異なり、反応特性に違いが生じた。ナノカーボン形成挙動において、均一ではなく局所的にコロニーライクなナノカーボンの生成が観測され、ドープされた触媒金属種(Fe, Co, Ni)は単一純金属種とは異なった状態になっている、あるいは表面に均一に分布していないことが示唆された。特に、Coドープ試料の素性が良い事がわかり、今後は、Coドープ試料で詳細な検討を進めることとした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ナノカーボン合成反応条件ならびにハイパーマテリアル試料の合金系やその試料の取り扱いに関して知見が深まってきた。特に重要だったことは、試料の変質を避けるために試料の取り扱いを全てグローブボックス中で行うことで、アーティファクトが排除されより本質的な知見が得られるようになった点である。それにより、今後検討すべき反応条件・合金系が明確になり、当初予定していた課題に対して順調に取り組める。

Strategy for Future Research Activity

今年度得た知見を活かし、作製した各種合金試料に対し、グローブボックス中で試料の粉砕(ポリグレイン試料)や各種加工(主にモノグレイン試料が対象)を行い、専用反応管を用いて反応器にセットし、ナノカーボン合成処理を行う(例えば、50%C2H4 + 50%H2, 300~600℃, 5~60 min.)。そして、反応前後の試料の構造・組織変化とナノカーボンの構造・形態などをFE-SEMならびにTEM観察を行う(初期段階の観察)。特異な形状・形態のナノカーボンが観察された試料に対しては、FIB加工等を駆使して、ナノカーボンと合金表面サイトおよびその界面部分の詳細な観察を行い、表面状態とナノカーボン形成・形態の相関を明らかにする。他に、ナノカーボンのキャラクタリゼーション(結晶状態・構造解析など)には、適宜放射光XRD,HAXPESならびにラマン散乱分光法なども用いる。ある程度、表面構造-ナノカーボン合成挙動の相関が明らかになってきた時点で、ナノカーボンの合成パラメーターを変化させ構造―形態等に及ぼす影響を検討する。
なお、応募者ならびに研究協力者の経験ならびに知識不足の点に関しては、積極的にプロジェクト計画班の研究者らと連携を図り協力と助言を仰ぐ。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] Al-Pd-TM(TM=Ru, Fe)系準結晶、近似結晶の触媒材料への応用に関する研究2021

    • Author(s)
      附田良太, 阿部圭史,福島武, 藤田伸尚, 亀岡聡,
    • Organizer
      第25回準結晶研究会
  • [Presentation] Al-Pd-TM(TM=Ru, Fe)系近似結晶触媒のアセチレン選択水素化反応特性2021

    • Author(s)
      阿部圭史、附田良太, 藤田伸尚, 亀岡聡
    • Organizer
      日本金属学会2021年春講演大会
  • [Presentation] Al-Pd-Ru系準結晶および近似結晶を前駆体としたラネー型Pd-Ru触媒の作製とその触媒特性評価2021

    • Author(s)
      附田良太、福島武、藤田伸尚、亀岡聡
    • Organizer
      日本金属学会2021年春講演大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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