2021 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study of fractal metal and supercondoctor in quasicrystal
Publicly Offered Research
Project Area | Hypermaterials: Inovation of materials scinece in hyper space |
Project/Area Number |
20H05279
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
酒井 志朗 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 上級研究員 (80506733)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 準結晶 / ハイパーユニフォーミティ / 強相関電子系 |
Outline of Annual Research Achievements |
準結晶の原子配列は非周期的なものの自己相似性や回転対称性で特徴づけられる規則性を持っている。このような構造上を動き回る電子の性質について研究した。特に、電子間相互作用の効果に注目し、準周期構造と電子間相互作用を取り入れた単純化した模型について、その電子状態を数値計算によって調べた。 i)まず、相互作用が比較的弱い場合を考え、ペンローズ格子上の拡張ハバード模型(オンサイトおよび隣接サイト間相互作用を取り入れた模型)を平均場近似の範囲で解いた。その結果、隣接サイト間相互作用の効果が電子密度の空間分布を大きく変化させることを見出した。この変化は周期系の場合とは異なり、並進対称性の破れでは記述できない。また、波動関数の振幅のようにマルチフラクタル性の変化として捉えることもできないことが分かった。一方で、このような変化がハイパーユニフォーミティの概念を適用することで、その秩序計量の変化として定量化できることを見出した。準結晶中では、電子密度に限らず様々な物理量が非周期的かつ規則的な空間分布をしている。そのような分布を定量化して理解する方法は確立されていなかったため、本成果は今後の様々な展開の出発点となりうる。 ii)電子間相互作用が強い場合には、非摂動論的効果によって弱相関領域とは本質的に異なる電子状態が現れうる。我々は、ペンローズ格子上のモット絶縁体にキャリアドープした金属相の電子状態を実空間動的平均場理論によって調べた。ドープされたモット絶縁体は、周期格子上では銅酸化物高温超伝導体に見られるように興味深い物性の宝庫であり、そこに準周期構造が加わることで更に豊かな物性の発現が期待される。我々は、ドープされたキャリアがどのように分布するかを明らかにし、また、銅酸化物の擬ギャップ状態の実空間版と言えるような新しい電子状態を見出した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)