2020 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物におけるミクロオートファジーを介した細胞内タンパク質の分解機構
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
20H05307
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
向井 康治朗 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90767633)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミクロオートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
ミクロオートファジーはリソソーム膜が直接細胞質成分を取り込む機構を指す。酵母においてはペルオキシソーム、脂肪滴、核などがミクロオ ートファジーを介して分解されることが報告され、解析が進んでいるが、哺乳動物におけるミクロオートファジーの研究は限られている。本研究では、CRISPR-Cas9ゲノムワイドスクリーニング、超解像ライブイメージング、プロテオミクス解析などを駆使することで、哺乳動物細胞におけるミクロオートファジーの分子機構及び生物学的意義を明らかにすることを目指す。 本年度は、特に超解像ライブイメージング、及び電子顕微鏡解析を重点的に行った。その結果、リソソーム膜がリサイクリングエンドソーム由来の膜構造を直接飲み込む過程を可視化することができた。さらに、siRNAスクリーニング、CRISPR-Cas9ゲノムワイドスクリーニングを行い、このミクロオートファジーの過程に必要な遺伝子を同定した。同定した遺伝子を個別に発現抑制したところ、リソソーム自体の機能が阻害されるものに加えて、ミクロオートファジー基質分子がリサイクリングエンドソームに蓄積するものがあることがわかった。また、マクロオートファジーに必要な遺伝子ATG5、FIP200、ATG13の欠損細胞でミクロオートファジーを評価したところ野生型と変わらなかったことから、これら遺伝子はミクロオートファジーには必要ないことが示唆された。今後はプロテオミクス解析を通じて、ミクロオートファジー過程においてリソソームが基質を認識する分子機構に迫っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、超解像ライブイメージング、及び電子顕微鏡解析を重点的に進め、当初の予定通り、リソソーム膜がリサイクリングエンドソーム由来の膜構造を直接飲み込む過程を可視化することができた。よって本研究計画は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、CRISPR-Cas9ゲノムワイドスクリーニング、siRNAスクリーニング、プロテオミクス解析を行い、同定した遺伝子を欠損した時のミクロオートファジーの状態を評価することで、哺乳動物細胞におけるミクロオートファジーの分子機構及び生物学的意義を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(11 results)