2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of crinophagy in endocrine cells
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
20H05310
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鳥居 征司 群馬大学, 食健康科学教育研究センター, 教授 (40312904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / 分泌顆粒 / 膵β細胞 / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
老化や疾病においてホルモンの分泌要求が弱まると、内分泌細胞は蓄えたホルモンを分解して多大なエネルギーを要する分泌機能を抑えるが、これには分泌顆粒がリソソームと融合し内容物のホルモンが分解される機構のクリノファジーが関与している。本研究では、これまでに培ってきた分泌顆粒に関する知見や独自に開発した解析システムを用いて、クリノファジーに関わる蛋白質や誘導シグナルの同定を行い、ペプチドホルモンの分解過程を解明する。本研究で分泌顆粒の分解機序が明らかになれば、連動することが推察されるホルモンの産生・分泌機構の研究にも影響を与えることが予期され、糖尿病などさまざまな疾患研究に貢献することが期待できる。また本研究により見出される機構は、多くの内分泌細胞・器官で普遍的に機能していると考えられることから、基礎医学分野への展開と糖尿病など関連疾患の理解への貢献が期待できる。 本研究では第一に、分解過程の分泌顆粒に作用する特異的な蛋白質の同定と、顆粒蛋白質や膜脂質に現れるシグナルの発見を目指す。また分泌顆粒膜蛋白質フォグリンが膵β細胞におけるクリノファジーに関与していることを証明する。まず本研究に向けて開発したホルモン分解解析システムを使用し、分解される分泌顆粒が分別できることを確認した。この成果の一部は学会等で発表済みである。また膵β細胞特異的なフォグリン遺伝子欠損マウスについて、さまざまな週齢で膵島の電子顕微鏡解析を行い、分泌顆粒や分解器官であるリソソームの形状や数量を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に開発したホルモン分解解析システムが機能することが確認され、今後の特異的分子やシグナルの同定に向けて道筋ができた。また高齢のフォグリン遺伝子欠損マウスの解析で興味深い結果が得られており、in vitro, in vivo 両面からの検証を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
分解に関わる遺伝子や分解される顆粒に現れるシグナルを特定するため、分解される分泌顆粒に特異的に局在する蛋白質の網羅的な解析を行う。さらにはホルモン分解解析システムを使用してフォグリンのノックダウンや変異体の過剰発現解析を行い、インスリン分解にフォグリンが果たす役割を明らかにする。
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[Presentation] ALOXによる酸化ストレス抵抗性制御2020
Author(s)
富田 和男, 桑原 義和, 鳥居 征司, 五十嵐 健人, 髙 裕子, 長澤 大成, 田中 康一, 北中 純一, 北中 順惠, 栗政 明弘, 西谷 佳, 西山 信好, 竹村 基彦, 佐藤 友昭
Organizer
第73回日本薬理学会西南部会
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