2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of organization of the autophagosome formation site in unicellular eukaryotes
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
20H05313
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 邦律 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (20373194)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / 出芽酵母 / オートファゴソーム / リン脂質 / Atgタンパク質 / 脂質輸送タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者の研究グループは、出芽酵母において隔離膜(IM)をカップ状の構造体として可視化し、細胞内に蓄積させることのできるIM可視化法を開発した。我々はこのIM可視化法を使用して、小胞体を標識する脂溶性の色素R18が、オートファジー誘導に伴いIMに移行することを見いだした(Hirata et al. (2017) PLoS ONE)。R18は、オートファジー分野においてこれまで最大の謎であったIM膜の由来を解明できる有用なツールとなる可能性を秘めている。我々はこれらIM可視化法とR18染色法を駆使してIM伸展機構の本質的な理解に挑む。 本提案研究は、(1)R18を使用したIM膜の供給源の解明、(2)IM伸展における液胞-隔離膜接触部位の機能解析に注目して推進する。本年度はR18がIMへと輸送される経路の研究に進展があった。予備的実験から、R18は細胞膜に局在したのちに小胞体へと移行することが分かった。また、R18の細胞膜から小胞体への移行は、エンドサイトーシス経路非依存的かつATP依存的であることが示唆された。そこで我々は、細胞外から供給されたR18が細胞膜の外葉から内葉に移行する際にフリッパーゼが関与していると考え、出芽酵母フリッパーゼの変異体を用いて解析を行ったところ、いくつかの変異体ではR18の細胞内への取り込みが生じないことを見いだした。現在その分子機構に注目して研究を進めている。液胞-隔離膜接触部位の研究においては、当該接触部位の形成にかかわる複数のオートファジー関連タンパク質を過剰発現することで、液胞-隔離膜接触部位の可視化に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はR18がIMへと輸送される経路にフリッパーゼが関与していることを見いだした。しかしながら、もうひとつの研究テーマである、IMが液胞膜に繋留される機構に関する進展が不十分であったので、この評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
R18がIMを染色する機構を理解する上で、R18が細胞膜から小胞体へと移行する機構を理解することが重要である。そこで我々は、R18が細胞膜-小胞体接触部位を介して小胞体へ輸送されていると考え、出芽酵母において、細胞膜-小胞体接触部位の機能に注目してR18の小胞体染色に関わる分子機構を解析する。また、IMへの脂質輸送を可視化するために、伸展中のIMに局在するR18を標的として、fluorescence recovery after photobleaching解析を行っていく。
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Research Products
(5 results)