2021 Fiscal Year Annual Research Report
小腸上皮におけるミクロオートファジーの分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
20H05323
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 洋 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50212329)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小腸上皮 / 細胞極性 / 臓側内胚葉 / V-ATPase / エンドサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸上皮を形成する細胞は、顕著な極性をしめし、頂端側(AP)を消化管内腔に、側底側(BL)を血管を含む組織に向けている。消化管内腔の栄養はAP側から取り込まれ、BL側に運ばれて血流に受け渡される。乳飲期の小腸上皮細胞のAP側の細胞質には大きな液胞が発達しており、AP側からエンドサイトーシスによって取り込まれた高分子が小胞輸送によっての液胞にミクロオートファジーによって取り込まれ、栄養素に分解されると考えられる。ミクロオートファジーの機構を理解する上で、この大きな液胞がどのように形成されるのかを知ることが鍵となると考えている。大きな液胞は、AP側の細胞質に形成されることから上皮細胞の極性の形成・維持となんらかのカップリングがあると想定した。これまでの解析からエンドサイトーシスに機能するRab7,HOPS, CORVETの機能欠損は、細胞極性の形成と維持に一次的に機能してはいない。他方、エンドソーム・リソソームのオルガネラ酸性化に機能するV-ATPaseの機能欠損では、細胞極性に異常が認められる。V-ATPaseの変異マウスは胎生致死であり、また条件的遺伝子破壊の実験系も構築できていないため、小腸組織そのものでの機能を解析することが困難である。小腸上皮細胞と同じように大きな液胞をもつ、初期胚臓側内胚葉で観察したところ、V-ATPase欠損によって細胞極性が喪われること、またエンドサイトーシスが顕著に低下して大きな液胞の機能がなくなることを明らかにした。この結果は組織レベルにおいて、エンドソーム・リソソーム酸性化が細胞極性の維持に機能することを示している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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