2020 Fiscal Year Annual Research Report
The post-transcriptional regulation of autophagy as a key determinant of physiological homeostasis in pancreatic beta cells.
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
20H05351
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
柳谷 朗子 沖縄科学技術大学院大学, 細胞シグナルユニット, スタッフサイエンティスト (30608138)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オートファジー / 転写後制御 / mRNA分解 / CCR4-NOT複合体 / 膵β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、膵β細胞の恒常性の維持に重要なオートファジーを制御する転写後制御を解明する為に、mRNA分解で主要な役割を担うCCR4-NOT複合体の構成分子内の脱アデニル化活性のある構成分子CNOT7とCNOT8を膵β細胞特異的に欠損させたCnot7/Cnot8-βKOマウスから単離した膵島を用いて以下の解析を行った。Cnot7/Cnot8-βKOマウスの膵臓切片を用いて、インスリンとグルカゴンに対して免疫組織染色を行い、CCR4-NOT複合体を介したmRNA分解の破綻が膵β細胞の形態に与える影響を解析した。Cnot7/Cnot8-βKOマウスの体重と血糖値を経時的に計測し、Cnot7/Cnot8-βKOマウスが体重減少、高血糖と頻尿を伴う糖尿病を発症することを明らかにした。Cnot7/Cnot8-βKOマウスの耐糖性を解析する為に、8週齢のマウスにグルコースを腹腔内投与してグルコース負荷試験を行い、耐糖能が異常であることを示した。また、Cnot7/Cnot8-βKOマウスのインスリン感受性は正常であることをインスリン抵抗性試験により明らかにした。さらに、Cnot7/Cnot8-βKOマウスではグルコース応答性インスリン分泌能が低下していることを示した。Cnot7/Cnot8-βKOマウスの膵β細胞において発現変動しているmRNAを同定する為に、対照群のマウス(Ins1-Cre、Cnot7/Cnot8flox/flox)とCnot7/Cnot8-βKOマウスの膵島からTotal RNAを抽出し、RNA-seq解析を行った。Cnot7/Cnot8-βKOマウスの膵β細胞におけるオートファジーを解析する為に、単離膵島におけるLC3やp62といったオートファジー関連分子の動向をウエスタンブロット法により解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020度の研究では、Cnot7/Cnot8-βKOマウスが糖尿病を発症し、耐糖能が阻害され、またインスリン分泌能が低下しているという代謝異常の表現型を示すことを明らかにした。また、Cnot7/Cnot8-βKOマウスの膵β細胞の機能不全には、オートファジーが関与している可能性を示唆できた。現在、Cnot7/Cnot8-βKO膵β細胞において発現変動しているmRNAをRNA-seqで解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-seq解析により同定されたCnot7/Cnot8-βKOマウスの膵β細胞において発現変動しているmRNAの安定性を解析する。特に、オートファジーの関連分子のmRNAの安定性に関して解析することで、膵β細胞の恒常性維持に重要なオートファジーの分子機構を解明する。
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