2020 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト全能性を制御する機構の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Program of totipotency: From decoding to designing |
Project/Area Number |
20H05361
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高島 康弘 京都大学, iPS細胞研究所, 講師 (70469930)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 初期発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナイーブ型ヒトiPS細胞を用いて、ヒトナイーブ型としての多能性を獲得する機構の解析を行っている。 プライム型からリセット細胞へとリプログラミングされる過程をsingle cell RNA-seqで解析を行った。時系列を追って、解析したところ、完全にナイーブ化が完了したリセット細胞クラスターを同定した。リセット細胞クラスターは、KLF17やDPPA3を中心とするリセット細胞特異的な遺伝子が発現していた。またリセット細胞クラスターの出現時期は、D14にごくわずか出現し、D19で50%程度になり、D24で大多数の細胞集団はクラスター6となることが分かった。すなわち、リセット細胞が出現するためには、2週間以上、約20日程度を要することが分かった。 興味深いことに、リセット細胞が出現し始めるD14にマイナー集団が出現した。この集団はリセット細胞として樹立された以降も1-2%程度存在し続けた。遺伝子発現を調べたところマイナークラスターは、8細胞期遺伝子を強く発現していた。 この8細胞期遺伝子を発現する細胞を可視化するために、DUX4結合領域とGFPを連結したベクターをヒトES細胞に導入し、DUX4GFP細胞を作製した。DUX4GFP細胞を利用することで、GFP陽性細胞を取得することに成功した。また純化した細胞の遺伝子発現を解析したところ、実際に8細胞期遺伝子は発現していた。一方、DUX4のノックダウン、DUX4が発現した細胞にアポトーシスを誘導し速やかに除外する系を作ったが、ナイーブ型は維持できることが分かった。すなわち、8細胞期遺伝子を発現することはヒトにおいては必要ないことを示唆する結果を得た。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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