2021 Fiscal Year Annual Research Report
受精後の精子尾部が与える全能性への影響の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Program of totipotency: From decoding to designing |
Project/Area Number |
20H05366
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 昌和 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60580496)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 割球間競合 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでマウスの2細胞期の割球をそれぞれ別の蛍光タンパク質でラベルし、その系譜を追う研究をおこなってきた。蛍光ラベルした2細胞期胚をすぐに偽妊娠マウスに移植し、in vivo環境下で発生させ、着床直前の後期胚盤胞(E4.5に相当)で回収したところ、多くの胚で2細胞期の両割球由来の細胞が将来の体の全ての元となるエピブラストに寄与していた。一方で後期胚盤胞期までの過程全てをin vitro(37℃/5%CO2/20%O2)で発生させると、後期胚盤胞のエピブラストではどちらか片方の割球由来の細胞しか残らなかった。2細胞期の割球はばらしても、ほとんどのケースにおいてそれぞれの割球が後期胚盤胞に発生しエピブラストを形成することから、in vitro培養系では、胚盤胞期のエピブラストにおいて2細胞期の割球間に細胞競合がおきることが示唆された(未発表)。 この割球間競合が抑制されるマウス卵管・子宮内は低酸素状態にあること、および活性酸素種の発生源となる精子由来の父性ミトコンドリアは2細胞期胚において、どちらか片方の割球に偏って存在することが知られており、これが2細胞期の割球間の違いを生み出している可能性があったため、本研究課題では精子ミトコンドリアを受け継いだ割球の系譜を追跡し、エピブラストへの寄与との関係を調べた。結果として相関は見られなかったため、割球間競合における精子ミトコンドリアの関与は否定された。しかし、2細胞期の片割球のみに由来するエピブラストを持つ胚はin vivoでもその後の発生率の低下を示すため、何かしらのメカニズムでin vivo(母胎内)では割球間競合が抑制される生理的な意義があることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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