• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Annual Research Report

葉の発生に関与する核内分化因子の周期的動態変化を制御する分子基盤の解明

Publicly Offered Research

Project AreaIntrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development
Project/Area Number 20H05402
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

笹部 美知子  弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (00454380)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords分化 / 葉形成 / 核内顆粒 / 細胞分裂 / 分裂方向 / ホスファチジルイノシトール
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、葉の形成のしくみについて、葉形成を制御するシロイヌナズナのASYMMETRIC LEAVES2 (AS2)タンパク質と、分裂方向の制御に関わる因子を分子基盤として、1) AS2タンパク質が特定の領域で特定の時期に活性化するメカニズムの解明と、2) 細胞分化に伴う分裂方向の変化を制御するメカニズムの解明を目指して研究を行っている。本年度はそれぞれ以下の通り研究を行った。
1) AS2は核内で顆粒状の集合体 (AS2 body) を形成することがその活性のために必要である。AS2 body形成のメカニズムを探るため、AS2-EYFPをシロイヌナズナにおいてエクトピックに発現させて種々の細胞においてAS2 body形成の様子を観察したところ、AS2 bodyの局在やその数が細胞ごとに異なる様子が観察された。このことは、AS2 bodyが何らかの細胞の状態を反映して形成される可能性を示唆している。また、AS2 bodyの実態を明らかにするために近接依存性標識法によるAS2の相互作用因子の解析を進め、近接依存性標識を行うための各種形質転換体を確立した。
2) 分裂方向の制御に関する研究を進める過程で、細胞膜の構成要素であるホスファチジルイノシトール (PI) の特定の分子種に結合するバイオセンサーを過剰発現させると、分裂パターンに異常が生じることが明らかとなった。各分子種のPIの産生に関与する阻害剤をプロトプラスト化した培養細胞に処理したところ、通常プロトプラスト再生過程で観察される細胞伸長が著しく抑制され、分裂方向に異常が生じた。これらの細胞では、細胞伸長の間に観察される表層微小管の形成と規則的な配向が阻害されていた。画像を定量的に解析した結果、表層微小管の形成阻害はチューブリンの細胞膜への輸送が直接または間接的に阻害されたことに起因すると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、AS2タンパク質の基本的な細胞学的性質を解析し、シロイヌナズナの各器官、組織において細胞ごとにAS2 body形成の有無や細胞内局在が異なることが明らかとなった。また、AS2 bodyの実態を明らかにするために相互作用因子の解析を進めているが、今年度までに形質転換体まで作成することができたので、おおむね当初の計画通り進行している。また、分裂方向の制御に関する研究については、生化学的解析がやや遅れているが、細胞生物学的な解析が進んだことから、総合すると研究はおおむね順調に進行していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

1. AS2 bodyの実態解明と動態解析:近接依存性標識法、免疫沈殿法に用いる植物及び培養細胞株を確立した。これらを用いて相互作用因子の同定を進める。また、AS2 bodyと染色体や細胞骨格を同時に可視化する培養細胞及び植物体株を今年度確立した。これらを用いてbody形成の時期や分配のしくみを詳細に解析し、生化学的データとあわせて分析することによりAS2 body形成のメカニズムと発生学的意義の解明を目指す。
2. 分裂方向の制御に関わる因子の研究:シロイヌナズナで観察された微小管形成、配向異常は特定の分子種のPIの減少が原因であると考えられた。これらPIと微小管ダイナミクスを繋ぐ因子を探索するためにPI4K阻害剤を処理した培養細胞からミクロソーム画分を抽出し、プロテオーム解析を行う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Early Endosomal Trafficking Component BEN2/VPS45 Plays a Crucial Role in Internal Tissues in Regulating Root Growth and Meristem Size in Arabidopsis2020

    • Author(s)
      Matsuura Yuki、Fukasawa Narumi、Ogita Kosuke、Sasabe Michiko、Kakimoto Tatsuo、Tanaka Hirokazu
    • Journal Title

      Frontiers in Plant Science

      Volume: 11 Pages: 1027

    • DOI

      10.3389/fpls.2020.01027

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 葉形成に関与するAS2タンパク質の動態変化と機能の関係2020

    • Author(s)
      笹部美知子, 雪森桃花, 吉田みのり, 三石萌, 小島晶子, 栗原大輔, 東山哲也, 町田千代子, 町田泰則
    • Organizer
      日本植物学会第84回大会
  • [Presentation] 植物細胞における分裂方向決定メカニズムの解析と分裂方向決定因子の探索2020

    • Author(s)
      細井 俊良, 田安 智明, 飯田 智子, 橋場 真子, 鈴木 伶奈, 笹部 美知子
    • Organizer
      東北植物学会第10回大会
  • [Presentation] シロイヌナズナの二つの NACK キネシンは発生過程で見られる多様な細胞質分裂の制御に関与する2020

    • Author(s)
      山家 広大, 細井 俊良, 別役 重之, 笹部 美知子
    • Organizer
      東北植物学会第10回大会
  • [Presentation] マンサクに形成される2種の虫こぶの形成機構の解析2020

    • Author(s)
      小黒 那智, 久保 稔, 澤 進一郎, 山尾 僚, 池田 紘士, 笹部 美知子
    • Organizer
      東北植物学会第10回大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi