2020 Fiscal Year Annual Research Report
The coordiated development of idioblast myrosin cells and vascular cells
Publicly Offered Research
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
20H05416
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
白川 一 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70636969)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 細胞分化 / ミロシン細胞 / 維管束 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は特殊化した細胞を獲得することで環境に適応してきた。例えば、孔辺細胞は表皮に存在し、ガス交換に働いている。別の特殊化した細胞としてミロシン細胞がある。ミロシン細胞は維管束に沿って分布し、生体防御に働いている。ミロシン細胞と孔辺細胞の分化はどちらもbHLH型転写因子FAMAによって制御される。しかし2つの細胞がどのように作り分けられているか不明であった。本研究ではFAMAの新規の下流標的因子を同定することでこの謎に迫った。1)FAMA誘導系を用いたRNAseq解析、2)scrm変異体のRNAseq解析、3)scrm-Dの既知のDNAマイクロアレイデータ、4)syp22の既知のDNAマイクロアレイデータを組み合わせた解析を行なった。FAMA誘導系を用いた誘導後8時間後のRNAseq解析を用いた場合は、FAMAと新規転写因子WSBが単離された。FAMA誘導系を用いた誘導後24時間後のRNAseq解析を用いた場合は、FAMA、WSB、TGG1(ミロシナーゼ)、HIPP20が単離された。VENUSやGUSレポーターを用いた解析からTGG1、HIPP20はミロシン細胞と孔辺細胞で発現していることが確認された。TGG1よりも早期に発現誘導されることからWSBの解析を進めることとした。解析に必要なレポーターラインと変異体、及び蛍光タンパク質融合WSBを発現する相補株を作製した。得られた成果の一部を、シンポジウムでの発表として報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
FAMAの下流因子で細胞分化を制御している因子は全くわかっていなかった。当該因子を同定することが、分野のブレークスルーになると期待される。そのような実施前の研究分野の状況であったが、初年度にミロシン細胞と孔辺細胞の分化を制御するFAMAの下流因子WSBを単離することができたので、上記の評価とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
作製したレポーターラインと変異体、及び蛍光タンパク質融合WSBを発現する相補株を用いて、遺伝学的解析・イメージング解析・生化学解析を行う。WSBの機能を包括的に理解する。
|
Research Products
(1 results)