2020 Fiscal Year Annual Research Report
Developmentalhyper-adaptability of sensorimotor dynamics under rapid growth
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
20H05460
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金沢 星慶 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教 (60744993)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2022-03-31
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Keywords | 超適応 / 発達 / 筋骨格 / シミュレーション / 新生児 / 乳児 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳・身体の損傷や加齢による運動機能障害や高次脳機能の低下を克服するため、従来の身体運動科学では「脳 - 身体システムにおける適応問題」について追及することで問題解決を目指していた。一方で、これらの障害時に行われる適応では、通常では生じえない身体変化や神経活動・経路変化を伴うと同時に、これらを利用して運動制御していることも明らかにされている。この様な劇的な変化は成人を対象とした実験系だけでは検証が困難な問題が存在すると考えられる。 本研究では、新生児期~乳児期の急峻かつ連続的な筋骨格身体および神経構造の発達的変化に着目することで、劇的な身体および神経的変化を伴う状況での運動制御・行動獲得過程、すなわち、「発達初期における感覚 - 運動ダイナミクスの超適応」における理論構築を進める。 本年度では、実際のヒト発達初期に生じている神経活動パターンの変化を検証するため、ヒト新生児および乳児の自発運動時に生じている感覚運動情報構造の時空間パターンおよびその状態遷移について解析し、感覚運動情報が持つ基本的特性が新生児期と乳児期で共通項があること、さらにそれらが発達に伴って変化していることを示した。また、これまで開発を進めてきた乳児筋骨格身体モデルに関節協調および筋走行の制約を追加実装し、発達期の超適応モデルをシミュレーションするプラットフォームとしてMuJoCo上での乳児自発運動シミュレーションを可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新学術公募研究への採択が年度後半を過ぎた時点で決まったものの、シミュレーションプラットフォームの開発がある程度進んでおり、さらに、すでに計測済みのデータに対して新規手法を用いて解析を進めることで計画通りに進行することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で同定した発達初期の感覚運動情報構造の時空間パターンの発達的変化を再現しうる発達および学習モデルを提案するとともに、開発を進めている乳児筋骨格モデルを利用して発達過程が再現するための条件や学習則について精査する。
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