2020 Fiscal Year Annual Research Report
身体化されたロボットアームへのAIによる運動介入時の操作者適応支援技術
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
20H05468
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 泰久 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70303675)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己主体感 / 遠隔操作 / 操作介入 / ロボットアーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究室が研究開発してきた直感的遠隔操作システムを使用し,人がロボットアームを操作中に,自動制御による外部操作介入が入った際の操作者の自己主体感へ及ぼす影響を調べた.このシステムは,トヨタ自動車のHSRをVRデバイスで遠隔操作するシステムである.操作者の左手の位置・姿勢が,HSRのアーム先端位置・姿勢に対応し,操作者の頭部位置・姿勢が,HSRの頭部カメラ位置・姿勢に対応するようにリアルタイムで制御される.また,ロボット頭部に搭載した複眼カメラの映像がヘッドマウントディスプレイに表示され,操作者に視差のある映像が提示される.これにより,ロボットへの没入感のある遠隔操作が可能となっている. 今年度は,HSRのアーム先端位置を補正する操作介入によって物体把持等の操作を支援する機能を準備した.アーム先端位置と目標位置との距離が一定値以下となった場合に,操作者のコントローラ操作によらずアーム先端位置が目標位置へ移動する.この介入により,アームの位置決め精度の向上が見込まれるが,それと同時に,操作者の自己主体感が低下することも予想される.評価項目として、アーム操作に対する自己主体感,タスク達成時間,補正(違和感)を感じるまでに要した時間を用い,補正あり/なしで比較した.自己主体感に関しては,各試行後に被験者にアンケート調査を実施し,「自身の操作がロボットアームの動きに反映されていたか」という問いに対して5段階で評価を求めた.また,補正(違和感)を感じるまでに要した時間を測定するために,補正(違和感)を感じた瞬間にコントローラのトリガを引くように被験者に指示をした. 実験の結果,遠隔操作しているロボットアームに位置補正が生じると,操作者が感じる自己主体感が低下する傾向が得られた.しかし,操作者が補正に気づく割合が低い場合に,補正によって自己主体感が向上するケースも確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己主体感を計測できる実験システムを構築し、予備実験にてその変化を計測した。よって順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、被験者を追加し,操作速度や軌道などを考慮した介入手法についても検討・評価を行う.
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