2021 Fiscal Year Annual Research Report
加齢と疾患による大脳基底核神経路の変遷と再構成を検証する
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
20H05484
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤山 文乃 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20244022)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大脳基底核 |
Outline of Annual Research Achievements |
フレイルティは、加齢による身体機能の低下のみならず、モチベーションの低下を含む認知機能の低下など、精神的な面での低下が認められ、総合的に社会生活が損なわれていく多面的な状況を指す。つまり、加齢とともに、運動機能と脳機能は、どちらが原因とも結果とも言い難く、連動しながら障害されていく。一方、多くの神経変性疾患の発症率は、加齢とともに上昇する。たとえば、パーキンソン病は、中脳黒質のドーパミン神経細胞の変性脱落を病因としており、高齢になるほど発症率および有病率は増加している。しかし、これまでの基礎研究の多くで使われた実験動物は若年成体であり、加齢、もしくはドーパミン量の変化による神経路の可塑性については、全く解明されていない。本研究では、この問題を解明するために、加齢と神経伝達物質の影響とを切り分けつつ、大脳基底核神経路がどのように適応的に作り変えられているかを解明することを目的とした.ドーパミン神経細胞は生化学的・遺伝学的に複数のサブクラスに分類されるが、パーキンソン病あるいは加齢により変性するドーパミン神経細胞のサブクラスは同じものなのだろうか? パーキンソン病により優先的に変性脱落するサブクラスはcalbindin 陰性のドーパミン神経細胞であることがわかっているため、老齢マウスにおいてcalbindinとドーパミン合成過程の律速酵素であるチロシン水酸化酵素 (TH) の二重免疫染色を行ったところ、ドーパミン細胞の絶対数およびサブクラスの比率に加齢による変化がないことがわかった。また、THの免疫染色により、中脳黒質から線条体へのドーパミン投射量を観察したところ、線条体におけるTH量に関しても加齢に関する変化は認められなかった。このため、加齢自体はドーパミン減少の原因ではなく、パーキンソン病の罹患率が加齢によりあがるのは、別の原因であることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)