2020 Fiscal Year Annual Research Report
Marmoset model of unilateral spatial neglect
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
20H05487
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 正俊 北海道大学, 人間知・脳・AI研究教育センター, 特任准教授 (30370133)
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Project Period (FY) |
2020-10-30 – 2022-03-31
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Keywords | フリービューイング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マーモセットを用いた半側空間無視モデルの確立と、大脳注意経路のネットワーク活動の計測、モデル化、介入を目指した研究を実施した。 損傷標的部位の確定: これまでの研究代表者によるマカクザルを対象とした実験では、ヒト腹側注意経路の相同部位の損傷を行い、半側空間無視と類似した症状を再現することに成功している。マーモセットにおける皮質注意経路との相同部位を見つけるため、96chECoG電極をマーモセットに埋設して、視覚性ミスマッチ課題を用いて、視覚的サプライズに関連する脳部位を探索した。この方法によって損傷目標部位を決定した。 行動の評価法の確立: これまでの研究代表者によるマカクザルを対象とした実験では、フリービューイング中の視線の計測を行い、損傷作成後に視線が損傷と同側(右側)に偏ることを明らかにしている。そこで研究代表者は頭部固定条件でのマーモセットにおいて、フリービューイング中の視線の計測を行い、両眼においての視線計測、そしてサッケードの検出、ケタミン筋注によるサッケード長の減少などの解析が可能であることを確認した。 脳活動計測法の確立: これまでの研究代表者によるマカクザルを対象とした実験では、resting-state fMRIを用いて、BOLDシグナルの領域間相関(いわゆる機能的結合性)が損傷後に変動することを明らかにしている。マーモセットにおいては、さらに詳細な脳内メカニズムの解明を目指して、96ch ECoG電極による全大脳でのネットワーク活動の計測を行ったところ、サッケードに関連する電位が前頭連合野、側頭連合野、頭頂連合野PPCから記録された。これらのデータを元にして、Caイメージングを行う脳部位としては頭頂連合野PPCを選択した。フリービューイング中の活動記録では、視覚刺激の提示およびサッケードに関連して活動するシグナルを同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としていた、損傷標的部位の確定、行動の評価法の確立、脳活動計測法の確立はそれぞれ目的を達成しているため、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は2020年11月に遅れて採択されたため、まだ損傷実験そのものを実施するには至ってない。マーモセットは貴重な小型霊長類であるので、3Rを考慮して、予備実験が十分になされたと判断してから、損傷実験を行う。
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Research Products
(7 results)