2020 Fiscal Year Annual Research Report
超適応を促進する脳深部刺激法の開発とその作動メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
20H05489
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
西村 幸男 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, プロジェクトリーダー (20390693)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 側坐核 / 脳深部刺激 / 意欲 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究提案の目的は意欲中枢である側坐核の活性化が精神機能と運動機能を同時に向上させるという仮説のもと、マカクサルを用いて側坐核への脳深部刺激法を確立することである。2020年度は運動への意欲を高めるclosed-loop型の側坐核脳深部刺激法の確立および、側坐核刺激による運動パフォーマンス向上作用とその神経機序を明らかにすることを目標に設定し、研究を行った。 closed-loop型側坐核脳深部刺激法の確立を行うために、サルには到達把握運動課題を学習させた。サルの把握力がある閾値を超えた際に1-3mA、200Hz, 200msの電気刺激を片側側坐核へ与えた。すると、刺激介入前日までのセッションにおける運動課題の成功数に比べ刺激介入セッションでは2~3倍まで成功数が改善した。刺激介入後、数日間は刺激なしのセッションを設けたところ、サルは側坐核への刺激が無くても刺激ありのセッションと同等以上の運動課題成功数を示すようにパフォーマンスを改善させた。その際、Forceの大きさ、運動開始までの反応時間には刺激有無による差は認められず、純粋に運動課題に取り組む回数が増えたのみであった。次に、刺激時間を200msから1000msへ変更したところ、サルは刺激ありの際は反応時間を早め、より大きなForceを出力するようになった。側坐核刺激によるForce増大の神経機序について、検討したところ、側坐核への刺激依存性の筋活動誘発は認められなかったことから、側坐核刺激そのものが力を作り出していないことを見出した。すなわち、側坐核への刺激は次の行動への意欲を高め、意欲向上の結果が把持力の増大へつながったものと考えられる。一方で、側坐核内でも刺激部位によっては、刺激が入ることによってサルが運動課題をしなくなるといったケースも数回確認できた。上記のような結果から、刺激パラダイムや刺激部位によって側坐核刺激による意欲・運動への効果が異なることを確認した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)