2021 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum Bioenergetics for Exploring Dynamics of Metals in Protein
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
20H05497
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
重田 育照 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (80376483)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遷移金属含有タンパク質 / 量子化学計算 / 分子動力学計算 / 電子移動反応 / プロトン移動反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸鎖終端酵素であるシトクロムc酸化酵素は(CcO)、酸素を還元すると同時にプロトンを輸送することが知られている。CcO内には電子伝達経路に金属サイトが存在し、それらがCcOの酵素活性を担っている。近年、CcOを阻害する化合物がいくつか見つかり、結晶構造解析によりHemeaとHemea3近傍のヘリックスに結合していることが判明した。我々は分子動力学(MD)計算を用いて、阻害剤の有無によりどのような構造変化が阻害過程に効いているのかを検証した。阻害剤は膜貫通ヘリックスTM2とTM3の間に結合し、TM2の角度を変化させることが明らかとなった。この変化は近接するO2チャネルに伝播し、TM2とTM6間のGlu242-Ile66距離を狭めることで、O2チャネルを塞ぐことで反応を阻害している可能性を示唆した。 シトクロムc(Cyt c)は球状のヘムタンパク質で、電子輸送系(ET)に関連するいくつかのエネルギー変換過程に関与している。Cyt cの中央のヘムは、電子輸送の過程でFe3+とFe2+の酸化状態に変換することができ、このタンパク質の重要な機能を担っている。特に、Cyt cはチトクロムc酸化酵素(CcO)に電子を供給することができる。本研究では、HDOCKを用いて距離拘束型のタンパク質-タンパク質ドッキングを行った。得られた複合体の安定性に関しては、MD計算による複合体安定性解析を行った。その後、VMD の Pathways プラグインを使用してET 経路を予測した。本研究で明らかにした新しい結合ポーズは、Cyt cのヘムFeとCcO のCuAの距離が最も短く、CcOとの結合も非常に安定していることが確認された。このように本研究では、電子移動活性型複合体(ET活性型)の新しい結合様式を提案し、MDによる安定性解析でそれを確認した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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