2020 Fiscal Year Annual Research Report
Breakdown of iron regulatory mechanisms in ferroptosis
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
20H05502
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊國 伸哉 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90252460)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フェロトーシス / 鉄代謝 / 子宮内膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症は生殖可能年齢女性の10~15%に認められる疾患である。卵巣では嚢胞性病変を形成することで、不妊症の原因となるだけでなく、卵巣癌の発生母地にもなると考えられている。しかし、子宮内膜症の基礎研究において、若年患者の病変を卵巣も含めて摘出することは倫理的に不可能である。これまで主な手法として腹膜病変、深部内膜症のモデルマウスを用いた報告はあったが、卵胞機能を評価できる卵巣に子宮内膜症病巣をもつモデルマウスを作成した報告はなかった。今回、新たな工夫により卵巣子宮内膜症モデルマウスを開発できた。新手法では、マウスの卵巣嚢を除去し卵巣表面を露出させたところに、別のマウスから得た子宮を細切して移植する。この方法を実施し4週間後に解剖すると、卵巣に付着する形で子宮内膜症病変が形成された。そして、病変の間質に過剰鉄の沈着を認めた。処置から1・2・4週間後の病変を比較すると、時間が経つにつれ卵巣周囲の線維化が増加した。このような所見はヒトの卵巣子宮内膜症病変に類似している。さらに本モデルマウスでは、子宮内膜症のある卵巣において、卵胞の酸化ストレスマーカー(4-HNE, 8-OHdG)のレベルが高く、卵胞発育に必要なFSH受容体の発現低下を認めた。そして、卵巣子宮内膜症モデルマウスでは、妊娠仔数の有意な減少を認めた。以上の結果から、卵巣子宮内膜症の存在が、病変に含まれる過剰鉄を介して、卵胞への酸化ストレスの増加とFSH受容体低下を来し、妊孕性低下に繋がることが示された。今回の成果は、新たな卵巣子宮内膜症モデルマウスの確立であり、本モデルマウスが今後の子宮内膜症に関連した不妊症の病態解明、治療開発において有用である。また、石綿がマクロファージのフェロトーシスを持続的に起こすことにより、触媒性Fe(II)過剰による変異環境を形成していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで報告のなかった卵巣子宮内膜症のマウスモデルの確立に成功した。その際、妊孕性の低下が起こるが、その機序に鉄過剰とフェロトーシスが関与することを明らかにすることができた。すでに論文として公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト赤白血病細胞株を使用して、PCBP2と特異的に結合するミトコンドリア外膜タンパク質を質量分析によりスクリーニングした。多数の候補タンパク質が得られ、現在1つずつ詳細に検討中であり、来年度はフェロトーシス誘導時における鉄代謝関連分子の動態を明らかにすることを目標としている。
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