2021 Fiscal Year Annual Research Report
Nutrient Immunityに対抗する細菌の金属輸送系の進化と機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
20H05504
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | -A群レンサ球菌 / 金属j獲得レセプター / AdcA-II / 亜鉛 |
Outline of Annual Research Achievements |
-A群レンサ球菌におけるZn輸送系には、獲得系としてAdc系、Pht系が存在している。そのうちAdc系は、レンサ球菌属に特異的に存在し、かつその病原性の発現に重要であることが示唆されている。そこで、これらの遺伝子破壊株を全て作成し、その表現系の解析を行った。まず、細菌種に広く分布しているZn獲得系であるPht系の破壊株では、A群レンサ球菌の成育には全く影響が見られなかった。ところがAdcA-I, AdcA-II, AdcBC系の遺伝子破壊株では、その増殖の抑制が認められた。そこで、これらの遺伝子破壊株を用いてマウスに対する病原性を確認したところ、AdcI欠損株では致死毒性がほとんど変化しなかったにも関わらず、AdcII欠損株およびAdcBC欠損株では、著しい病原性の減弱が認められた。そのため、AdcA-IIは、単に増殖に関与するだけでなく、病原性の発現に必須であることが示唆された。 AdcA-IIの遺伝子についてその進化的な側面から解析を行うと、AdcII-A遺伝子を持つ菌は、レンサ球菌属の中でもヒトに対して極めて高い病原性を示す菌であるA群レンサ球菌およびその近縁種のみに存在しており、その保存性が極めて高いことが明らかとなった。そのため、AlphaFold2を用いた構造解析を行ったところ、AdcII-AはZnを結合するポケット領域の4アミノ酸によってZnをホールドし、それらの点変異体でも同様に病原性の減弱が認められたことから、極めて菌種特異性の高い創薬対象になる可能性が示唆された。現在、AdcA-IIに対する抗体の作成および低分子化合物スクリーニングを行っている。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)