2021 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between peripheral neuropathy by platinum-based anticancer drugs and neuronal biometal disturbance
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
20H05506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 貴之 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30303845)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 末梢神経障害 / 白金系抗がん剤 / 感覚神経 / 白金蓄積 / 味覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)オキサリプラチンによる白金神経毒性と感覚障害との関連の解析:マウスへのオキサリプラチン投与により、投与初期から冷過敏応答や機械過敏応答が見られ、6-8週後には熱痛覚障害、触覚障害、神経伝導速度の低下や坐骨神経の軸索障害などが見られる。表皮内神経線維(IENF)を神経線維マーカーPGP9.5で免疫染色すると、IENFの表皮内密度は、オキサリプラチン投与4-8週間後にかけて時間依存的に有意に減少した。また、冷過敏応答および触覚障害の程度と、IENF密度減少の程度がいずれも相関していた。 2)オキサリプラチンによる白金神経毒性と末梢血流障害/末梢神経障害の関連:オキサリプラチンによる末梢神経障害時に感覚神経性の血管調節機構に異常が生じているかを検討した。マウス片側後肢を冷却すると後肢血流量が一過性に低下し、その後、約5分かけて元の血流量に回復する。この冷却後の血流回復はオキサリプラチン投与2-8週後に有意に遅延した。感覚神経内におけるCGRPの発現量に変化は認められなかったが、オキサリプラチン反復投与によりCGRPによる血管応答性が減弱していた。これらの結果から、オキサリプラチンによる感覚障害/神経障害に先行して、C線維依存的血管応答の低下を伴う末梢血流障害が生じ、末梢神経障害の進行に関与すると考えられる。 3)シスプラチンによる味覚障害の行動・病理解析(研究協力者 宗可奈子との連携研究):舌の甘味受容体T1R2および苦味受容体T2R107の発現量を測定した所、シスプラチン投与開始8週後にT1R2量のみが低下していた。舌神経の軸索を観察すると、5週後から軸索変性が認められはじめた。甘味受容体の発現低下が認められる以前から、味覚障害が発生しており、舌神経の軸索障害の時間経過とも一致することから、シスプラチンによる味覚障害には舌神経障害が関与すると考えられた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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