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2020 Fiscal Year Annual Research Report

Regulation of epithelial integrity through the nonequilibrium dynamics of the histone methylation during replication

Publicly Offered Research

Project AreaInformation physics of living matters
Project/Area Number 20H05523
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

及川 司  北海道大学, 医学研究院, 講師 (20457055)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords非平衡性 / メチル化ヒストン
Outline of Annual Research Achievements

遺伝子発現に関わるヒストン修飾は、細胞内代謝産物によって動的に制御されているが、ヌクレオソーム構造の再編成を伴うDNA複製を経た時、ヒストンの化学修飾状態が維持または変化する機構は良くわかっていない。申請者らは、転写抑制性メチル化ヒストン修飾(K27-trimethylated histone H3: H3K27me3)がDNA複製を経ても安定に維持されるにあたり、がん抑制遺伝子産物p53が重要な役割を果たすことを見出した。同時に、DNA複製部位への未修飾新規ヒストンの流入量、あるいはメチル基ドナーであるSAMの供給量が過剰であるなど、平衡から遠く離れた時、メチル化ヒストンのわずかな初期濃度差(擾乱)が増幅し、ある複製回数以降から不可逆的に隔たるというシミュレーション結果を得た。これを実験から検証するために、DNA複製部位におけるSAMの供給量、あるいは新規未修飾ヒストンの供給量を制御する必要がある。SAMの供給量は、細胞培養液中のSAM濃度(下限)の条件検討を行い、細胞増殖への影響が最小限で、上皮性を担う細胞間接着分子、E-cadherin遺伝子の発現を上昇させるSAM濃度を決定した。
一方、申請者らはp53が存在しない時、DNA複製期に細胞質から核内へ輸送される新規未修飾ヒストンH3.1が、核膜に一時的に蓄積し、ここで異所性にH3K27me3化されることを見出している。従って、あるDNA複製部位においては、新規未修飾ヒストンが供給される代わりに、H3K27me3が供給されると考えられる。この系を用い、DNA複製部位において新規未修飾ヒストンの供給量が減少し、代わりにH3K27me3が供給されたときのメチル化ヒストンパターン(H3K27me3, H3K4me3)がどのように遷移するか、理論解析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

DNA複製に際し、ヒストンメチル化基質SAMと新規未修飾ヒストンH3.1の両面においてその量を制御する系を確立した点で、概ね順調に進展していると考えられる。ただし、本当にDNA複製部位においてそれらの量が制御されているか否かの確認は、今後進める必要がある。また、SAMやH3.1の非平衡性がメチル化ヒストンパターンの遷移にどのように影響するかについての理論構築及び検証は、今後も続ける必要がある。

Strategy for Future Research Activity

細胞培養液中のSAM濃度を低下させるとE-cadherin遺伝子発現が増加し得るという前年度までの知見を受け、本年度はSAM濃度を変化させたときのCDH1(E-cadherin)遺伝子領域におけるメチル化ヒストン量をChIP-qPCR解析から明らかにする。また、細胞培養液中のSAM濃度を低下させた時に細胞内SAM量が低下していることを、キットを用いた定量解析から確認する。
また、p53が存在しない時、DNA複製期に細胞質から核内へ輸送される新規未修飾ヒストンH3.1が、核膜に一時的に蓄積し、ここで異所性にH3K27me3化されるという知見を受け、この時H3K27m3化が変化するゲノム領域を解析する。既に得られている知見から、このゲノム領域は、抑制性ヒストン修飾H3K27me3化を担うタンパク複合体、PRC2が標的とする領域であることが示唆された。従って、PRC2標的遺伝子に着目し、メチル化ヒストンに対する抗体を用いたChIP-qPCR解析を行う。さらに、H3.1の動態変化がH3K27me3化領域の変化に至る過程のダイナミクスを理論解析し、シミュレーションにより実験結果を裏付けることを目指す。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] p53 counteracts EZH2 at the nuclear lamina to prevent H3K27 hypermethylation2020

    • Author(s)
      Tsukasa Oikawa, Naomi Ohnishi, Yasuhito Onodera, Ari Hashimoto, Koji Ueda, and Hisataka Sabe
    • Organizer
      第93回日本生化学会大会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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