2020 Fiscal Year Annual Research Report
周囲の人たちへの配慮を伴った公共場面でのロボットの行動デザイン
Publicly Offered Research
Project Area | Studies on intelligent systems for dialogue toward the human-machine symbiotic society |
Project/Area Number |
20H05559
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹内 勇剛 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (00333500)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知モデル / 他者認知 / 配慮 / 人-ロボットインタラクション / コミュニケーション欲求 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,社会的スキルとして人への配慮を伴う行動生成に,相手に対して行為を遂行する欲求(Control)と相手による行為を受容する欲求(Acceptance)から導かれる認知モデル(CAモデル)を通して,他者の内部状態を計算論的に推定する方法を発展させ,「他者への譲歩・妥協」や「相手を慮る」といった高度な社会的スキルを伴うロボットによる対人インタラクションを実現することを目指し,同時に人とロボットとが互いに信頼関係を形成できるようになるための空間的構造および時間的構造の定量的な解明に取り組んだ. この研究課題ではまず,周囲の人たちの個々のコミュニケーション欲求に配慮したロボットの行動デザインと実装,が2020年度を中心に取り組まれた.ここではこれまで取り組んできた接近・回避行動の生成モデルを拡張し,内部状態の推定関数と時間的な変化の記述をおこなった.その結果,内部状態の時間的な変化を生成するうえで,自身の内部状態の傾向を強化する傾向と,相手の内部状態の推定値に合わせて自身の内部状態を変化させる傾向の2つをパラメータとして設定するこのモデルにより生成された行動と内部状態の変化があることが計算機シミュレーションでは確認できた.しかしながら2020年度内にこれを実証するための実地実験が新型コロナウイルス感染防止措置等の影響によって実施できず,2021年度にこの実験を行いその妥当性が限定的ながら確認できた.すなわち,人が自分(ロボット)とのインタラクションを積極的に望んでいると推定した場合にはロボット自ら人へ接近して行ったり,逆にインタラクションを拒んでいると推察した場合には,その時点では関与せず距離を保ったり身体の向きを変える,その場から退去するなど他者に配慮した行動を生成することができるようになったといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において2020年度に行う予定だった実験は,新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって実施できなかったが,2021年度に小規模ながら提案モデルの妥当性を実証するための実験を行い,人が自分(ロボット)とのインタラクションを積極的に望んでいると推定した場合にはロボット自ら人へ接近して行ったり,逆にインタラクションを拒んでいると推察した場合には,その時点では関与せず距離を保ったり身体の向きを変える,その場から退去するなど他者に配慮した行動を生成することができるようになったことを確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症に対する諸措置がいつまで継続されるのか不明な状況である以上,可能な限り当初予定してた実空間における実験をVR機器を活用した仮想空間内に移行させて,限定的な知見であっても研究を前進させていく方針である.
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Research Products
(15 results)