2020 Fiscal Year Annual Research Report
Search for bioactive substances from microorganisms in complex biological systems and elucidate their functions
Publicly Offered Research
Project Area | Post-Koch Ecology: The next-era microbial ecology that elucidates the super-terrestrial organism system |
Project/Area Number |
20H05581
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
繁森 英幸 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70202108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子嚢菌 / 抗菌活性 / Podostroma giganteum / amphotericin B |
Outline of Annual Research Achievements |
20種の子嚢菌類の培養抽出物について抗菌活性やブラインシュリンプを用いた毒性試験を指標にスクリーニングを行った結果、顕著な活性を示すPodostroma giganteumを見出した。この菌株を大量培養して得られた培養上清について、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや逆相HPLCを用いて分離精製し、新規抗菌活性物質を単離した。NMRやMS等の機器分析や化学誘導反応により絶対立体配置を含めた構造を決定し、菌の学名に因みpodogigant AおよびBと命名した。これらの新規化合物について生物活性試験を行った結果、podogigant AおよびBは顕著な抗菌活性を有することを見出した。さらにpodogigant Aは、被験菌Candida albicansに対して16 microgram/mLで32倍、Rhizopus oryzaeに対して8.0 microgramg/mLで32倍と非常に高いamphotericin B(AmB)増強活性を示した。一方で、podogigant BもC. albicansに対して16 microgram/mLで16倍と高いAmB増強活性を示した。したがって、これらの新規化合物とAmBを併用することでこれら疾患の治療の際のAmBの容量低減に繋がる可能性が示唆された。一方で、オートファゴソームの分子マーカーであるLC3タンパク質の変動を発光測定により定量可能とするために、HiBiTレポータータンパク質(Promega)をコードするプラスミド遺伝子を安定発現するU2OS細胞株を用いたアッセイ系を樹立した。この系を用いて天然物由来化合物の活性を調べた結果、子嚢菌Lachnum palmaeから単離構造決定した化合物にオートファジー誘導活性のあることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Podostroma giganteum以外の抗菌活性を示した菌株についても大量培養し、その活性物質を探索する予定であったが、コロナ禍の関係で実験が3ヵ月ほど停止したため、活性物質の単離・構造決定までは至らなかった。次年度にも引き継いで行い、活性物質の単離・構造決定を目指す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
顕著な抗菌活性を示した菌株の大量培養を行い、それらの抽出物についてシリカゲルクロマトグラフィーや逆相HPLCを用いて活性物質の単離を行う。得られた活性物質についてNMRやMS等の機器分析により、その構造を明らかにする。さらに、種々の生物活性試験に供して活性評価を行う。
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Research Products
(5 results)