2020 Fiscal Year Annual Research Report
ハイスループット電気化学培養法による電気細菌の同時複数単離法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Post-Koch Ecology: The next-era microbial ecology that elucidates the super-terrestrial organism system |
Project/Area Number |
20H05590
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
岡本 章玄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (70710325)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電極培養 / ハイスループット / 細胞外電子移動 / フローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
電気細菌や発電細菌と呼ばれる細胞外固体と直接電子のやり取り「細胞外電子移動(Extracellular Electron Transport, EET)」を行い代謝する細菌が特に熱水噴出孔などの深海生態系において注目されており、電気培養によって未分離の細菌を集積・単離する試みが盛んに行われている。しかし、電気化学測定系の制約から単離効率が極めて低いという長年の課題があった。本研究では、フローサイトメトリーによって1細菌に分離してから電極培養するハイスループット電気微生物培養法の開発を行なった。環境サンプルをそのまま1細胞ずつに分離した場合には、増殖が見られなかった。しかし、培地条件と環境サンプルの組み合わせをあらかじめ検討・電極上に細菌を集積した後に培養を行なった場合には96 ウェルl中10-20ウェルでの電流値の時間依存的な増加が見られた。さらに、16s rRNA解析から各ウェルで細菌が単離された状態で電流生成を行なっていることが確認できた。以上は、1細胞からの電極培養で環境中から電気細菌を単離した初めての成果となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度にも関わらず、様々な困難が予想された「1細胞に分離した後の電極上培養」にすでに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
未分離株の単離が成功裏に進んだため、遺伝子解析や顕微鏡観察、電気化学解析により生理学的な検討を行う。ここで、生態学的に重要な未分離株が得られた場合には(εバクテリアなど)、当該領域内外の専門家と共同研究を行い卓越したインパクトを持つ論文発表を達成できるように研究を展開する。さらに、比較ゲノム解析から新規な細胞外電子移動に関与する遺伝子の特定を目指す。
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