2009 Fiscal Year Annual Research Report
意思決定の化学物質的基礎付け
Publicly Offered Research
Project Area | Experimental Social Sciences: Toward Experimentally-based New Social Sciences for the 21st Century |
Project/Area Number |
21012003
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
蔵 研也 Gifu Shotoku Gakuen University, 経済情報学部, 准教授 (80278275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松葉 敬文 , 経済情報学部, 准教授 (00295619)
佐藤 淳 , 経済情報学部, 准教授 (70267920)
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Keywords | テストステロン / セロトニン / オキシトシン / リスク回避・愛好 / レベルK / 利他行動 |
Research Abstract |
平成21年度の研究では、まず本研究の開始前より行っていた、1)テストステロンを中心とした生理化学物質と、リスク回避などの相関調査、また同物質が美人投票ゲームのレベルK推測に及ぼす影響についての実験調査について、日本経済学会で報告した。 本年度の研究計画では、生理化学物質とリスク選択の実験調査について被験者数を拡大した実験によりデータの蓄積に努め、分析精度を高める予定となっていた。しかし実際に実験解析を行っていた最中に、本研究に非常に近接した内容を大規模に扱った論文がSapienza et al.(PNAS, Sep.2009)により報告された。なお、彼らの結果は、我々の初期の予想と一致して、テストステロンはリスク選好と強い正相関を持つというものであった。 これを受け当初の予定を修正した。生理化学物質に関する関連論文の文献調査をし、神経伝達物質であるセロトニン(これらの物質は採血によってのみ計測可)とリスク選好や利他行動などの経済行動の相関を調査する実験を行うために、歯科インプラント治療前後の選択行動変化の調査と絡めた形で、採血を伴う実験の申請を実験倫理審査委員会に提出した。しかし、採血によって万一事故が発生した場合の対応計画が不備であるとの指摘をうけ、保留の扱いとなった。このため、実験の実施に伴う傷害保険契約の対応や、リスク選好と歯科治療その他の医療行為との関係の考察など、来年度の採血実験に向けた整備を行った。
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Research Products
(2 results)