2009 Fiscal Year Annual Research Report
分散表現と自律ダイナミクスに基づく人間の情報処理の計算モデル
Publicly Offered Research
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
21013007
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 昌彦 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00222349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 文英 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (50512787)
|
Keywords | 関数近似 / パターン識別 / 強化学習 / 選択的不感化ニュートラルネット / 対属性モデル |
Research Abstract |
情報選択能力や学習・適応能力など,人間の高度かつ柔軟な知能に大きく頼る現在のIT社会は,情報爆発時代において深刻なデジタル・デバイドをもたらすと考えられる。これを避けるためには,人間のような柔軟な知能や人間の情報処理のモデルをもち,いちいち明示的に指示しなくても人間の情報処理を自然にサポートしてくれるようなシステムが求められる.本研究の目的は,こうした人間の意図を汲んで動作する支援システムの実現に向けて,人間の情報処理の計算モデルを構築することである.本年度の主な研究成果は以下の通りである. 1.選択的不感化ニューラルネット(SDNN)を用いた強化学習による自律的行動獲得:SDNNの性質を詳細に調べ,強化学習の価値関数近似に非常に適していること,特に高次元の冗長な情報の中から価値評価に重要な情報だけを抽出する能力をもつことを明らかにした.この成果は,膨大な情報の中から必要な情報だけを抽出する情報処理技術の開発にも繋がると考えられる. 2.表面筋電位信号からの動作意図推定:SDNNをパターン識別器として用いることによって,少数のサンプルから多数の動作を高精度かつリアルタイムに識別することに成功した.開発した手法は,従来手法に比べて使用者の負担がはるかに少ないため,さまざまな人支援技術へ応用が可能である. 3.人間の情報統合過程のモデル化と検証:昨年度までに構築した対属性モデルの検証を進めた結果,モデルから予測された錯視現象が実験的に確認されるなど,このモデルが多くの視覚現象を統一的に説明できることがわかった.この結果は,認知神経科学的にも,情報工学的にも非常に重要な成果である.
|
Research Products
(8 results)