2010 Fiscal Year Annual Research Report
金融市場分析のための経済情報抽出と意思決定支援に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Cyber Infrastructure for the Information-explosion Era |
Project/Area Number |
21013049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和泉 潔 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (10356454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 藤五郎 中部大学, 工学部, 講師 (90366443)
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Keywords | エージェント / 人工知能 / 情報システム / 意思決定支援 / マルチエージェント / テキストマイニング |
Research Abstract |
本年度は、実際に市場分析に応用するために必要な金融テキストマイニング手法のシステム化および英語の経済テキストを対象とした分析に使用できるように手法の拡張を行った。「複合名詞の抽出」と「一回のみ抽出単語の削除」により、市場分析時における英語の重要語と不要語リストの作成、単語グループ作成や回帰分析時のパラメータの調整を行った。英国中央銀行の金融政策委員会を対象に英国国債金利の予測を行った結果、従来のテキストマイニング手法をそのまま英語テキストに適用した場合に比べて、運用テストの成績が大幅に改善された。2008年の1月~12月で運用テストを行った結果、従来の手法での成績は、運用手法1を用いた場合、英国債1年物が58bp、2年物が-131.5bp、5年物が-90.78bp、10年物が-38.8bpであった(1bp=0.01%)。一方、拡張した手法では、運用手法1を用いた場合、1年物が193.37bp、2年物が80.55bp、5年物が104.22bp、10年物が71bpであり、どの市場もプラスの運用テスト結果となった。また、テクニカル指標に基づく取引戦略の分析をサポートするために強化学習を用いて取引戦略を獲得することを目的として、強化学習を用いた金融市場取引戦略を分析するシステムを開発した。獲得された取引戦略を銀行に勤務する実務家に評価してもらったところ、この戦略はテクニカル分析の教科書に載っている取引戦略とは異なり,金利上昇時と金利下降時で行動が非対称となっているが、市場参加者が一般的に持っている感覚と同様の知見であることが確認された。
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