2009 Fiscal Year Annual Research Report
数日スケールの気象が大気海洋物質循環に及ぼす影響評価・予測のためのモデリング
Publicly Offered Research
Project Area | Linkages in biogeochemical cycles between surface ocean and lower atmosphere |
Project/Area Number |
21014002
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤井 賢彦 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 特任准教授 (60443925)
|
Keywords | 海洋科学 / 海洋生態 / 海洋保全 / 環境調和型農林水産 / 気候変動 |
Research Abstract |
(1)海洋生態系モデルと植物生理モデルの結合:研究代表者らが既に開発した海洋生態系モデルに植物生理モデルを結合させた。リモートセンシングの専門家の協力の下に、多様な光・水温・栄養塩環境でのクロロフィル濃度および植物プランクトン炭素量に関する観測値を収集し、得られたモデル結果をこれらの観測値と比較することで、モデルに導入されているパラメータ値の較正を繰り返し行ない、結合モデルの再現性を向上させた。 (2)海洋光学モデルの構築:海水中のクロロフィル、粒子状有機物、有色溶存有機物、バクテリア存在量が持つ光学特性(吸収、散乱)の波長依存性を考慮した海洋光学モデルを開発した。海洋光学モデルとしての開発は今回が国内では初めての試みであり、米国など海外の既存のモデルと比較すると、より少ない計算機資源で機能する、より普遍的である、2次を超える多次散乱を表現できる、などといった点が特徴である。 (3)大気海洋間CO_2交換過程の改良:研究代表者らが既に開発した海洋炭素循環モデルを基に、数日スケールの大気擾乱によってもたらされる大気海洋間CO_2フラックスの定量的評価・予測を可能にするモデルを構築した。具体的には、大気海洋間CO_2フラックスをより現実的に見積もるためには、それに必要なパラメータ(大気CO_2濃度、大気圧など)を短い時間スケールで取り扱う必要があるとの考えから、その部分の修正を施し、再現性の向上を図った。
|
Research Products
(4 results)