2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラメラ液晶相の流動誘起構造転移・構造破壊のダイナミクスと粘弾性
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
21015007
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
藤井 修治 Nagaoka University of Technology, 工学部, 助教 (40401781)
|
Keywords | 界面活性剤 / ラメラ相 / オニオン相 / ブロック共重合体 / 複合二分子膜 / レオロジー / 構造転移 / 構造破壊 |
Research Abstract |
本年度は1.複合二分子膜ラメラ相のずり誘起オニオン相転移、2.複合二分子膜系のラメラ/スポンジ相転移、3.ブロック共重合体ラメラ相のずり誘起構造転移、の3課題について進めた。界面活性剤とブロック共重合体から成る複合二分子膜ラメラ相の膜弾性特性はブロック共重合体を構成する親水鎖・疎水鎖の組成比によって決まり、親水鎖の重合度が大きいほどオニオン相形成が促進され、疎水鎖が大きいほど阻害されることを実験的に明らかにした。つまり水相の親水鎖が大きいほど親水鎖の配位エントロピー増大により二分子膜は大きくゆらぐのに対し、膜内にある疎水鎖が大きい場合には疎水鎖のエントロピー弾性のために膜のゆらぎが抑制されることが示唆される。同様の系についてずり速度に代わり温度を変数とした場合にはラメラ/スポンジ相転移が生じ、ラメラ/ラメラ相分離するようなブロック共重合体濃度ではスポンジ相へと転移する際にゲル化することが明らかになった。これはブロック共重合体を多く含むラメラ相がゲル化するためであると考えら、興味深いことに転移点近傍においてシアシックニング挙動が観測された。ブロック共重合体ラメラ相はずり流動下において配向転移、オニオン相転移を示す。粘度測定と流動小角光散乱測定により、溶媒組成比を変えたとき、オニオン転移の臨界ずり速度がラメラ配向転移の臨界ずり速度へと連続的に変化することを見出した。この結果はオニオン相転移と配向転移との間に相関関係があることを示唆し、ずり誘起相転移を統一的に記述できる可能性があることを示す。また、拡散波分光装置にシアセルを組み込んだ装置を自作し、流動下における自己相関関数測定を可能にした。
|
Research Products
(16 results)