2010 Fiscal Year Annual Research Report
液晶場に分散した棒状コロイド粒子の秩序化とダイナミクス
Publicly Offered Research
Project Area | Creation of non-equilibrium soft matter physics: Structure and dynamics of mesoscopic systems |
Project/Area Number |
21015025
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 明彦 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60252342)
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Keywords | 棒状高分子 / 液晶 / カーボンナノチューブ / フレデリクス転移 / 相分離 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)のような長い棒状コロイド粒子はユニークな構造や力学的電気的特徴のためナノセンサーやディスプレイなど様々な応用分野の新しい材料として注目されている。この材料設計において重要なことは長い棒状コロイド粒子を並べることである。その方法の一つとして低分子液晶がつくる配向場を利用することが考えられているがこのような液晶分子と棒状分子の混合系の物性はまだあまり明らかにされていない。本研究は,平衡・非平衡の統計力学的理論と計算機シミュレーションを用いて,長い棒状高分子と低分子液晶の混合系でおこる,相構造や相分離電場や磁場などの外場による配向秩序と相秩序の制御と,そのダイナミクスを明らかにすることを目的とする。ここでの棒状高分子は,CNTやタバコモザイクウイルスやPBLGなどの棒状高分子液晶を念頭に置いている。 本年度は,後半の目的の電場や磁場などの外場下における相図の計算を行った。さらに,棒状分子と液晶分子の混合系において,外場のスイッチオンやスイッチオフされたときのフレデリクス転移の動的挙動について,ねじれ変形に対しての配向ベクトルのダイナミクスを調べた。棒状分子の弾性定数と誘電率の比によって,臨界電場の棒状分子の濃度依存性が逆転することなどを見つけた。 本研究で得られた結果は,棒状分子と液晶分子の混合系がいかに多様な相分離やそのダイナミクスを持つかということを示すものであり,この分野のさらなる実験的,理論的展開への基礎になる。
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